研究概要 |
多段スクリュー式連続圧搾の開発について基礎的検討を行い, 次の結果を得た. 1)スクリュー式ダイを用いてオースラリア産褐炭の連続圧搾を行い, その可能性を明らかにした. スクリューダイ型プレスによると高度に脱水した場合でも出口閉塞が起こらず連続操作ができる. 圧搾後の排出原料の含水率は, バッチ操作における圧縮平衡ケークと同程度の値まで減少しており, 難脱水性物質の高度分離に適することを認めた. 2)らせん角が異なる2本のウォーム軸を直結して, それぞれ独立した駆動装置で異なる回転速度で操作する2軸駆動式2段型スクリュープレスを試作し, より高度な連続圧搾が可能との結果を得た. 回転比を変化させると, 第1および第2ウォームにおける押出し速度差に応じて, 第2ウォームは第1ウォームに対してスクリューダイとして作用する同時に, 発生した高圧下の脱水区間として作用するため圧搾量をかなり大きく増加させる. 圧搾後の排出固体濃度は, スクリューダイ型の場合より, 圧縮平衡含水率により近い値を示しており, 消費動力は増加するが高度分離により適すると考えられる. 3)半固体状原料の場合, らせん流路の流動特性の解析に必要な摩擦係数を固体濃度の関数として決定できる. この摩擦係数の値を使用すると装置内部の圧搾圧力が定まり, 連続圧搾過程がバッチ操作の連続として, 変圧変速圧搾理論か圧搾量を近似推定できる. 4)圧搾量の推定に必要なケークの比抵抗値および空隙比は圧縮透過実験で決定できるほか, 本研究の変圧変速〓過実験によれば〓液量およびケーク内却の液圧分布の測定より, 一連の関係式を1回の〓過実験で決定できることが明らかとなった. フロート型円板を〓室に設置すれば, 真空ヌッチェ型〓過器によっても諸特性の簡易測定ができる.
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