研究概要 |
水酸化第一鉄アルカリ懸濁液の酸素酸化によるゲータイト生成を標準型気泡塔反応器及びドラフトチューブ付気泡塔反応器を用いて行った. これらの反応器において水酸化第一鉄超微粒子から溶解した第一鉄錯イオンが酸化されて重合第二鉄錯体を生成する反応が気泡のまわりの液境膜内で完結し, 引続いて主に液本体中で重合第二鉄錯体は加水分解され, ゲータイトが生成析出する. 酸化反応は見掛け上, 第一鉄に関して0次, 酸素に関して1次で進む. 生成するゲータイト微粒子の形態については, その長軸平均長さが0.15〜0.30μmの針状であり, 酸化反応速度が速いほど粒子は細かく, また均一性も増し, 粒度分布の幅も狭くなる. 以上より, 酸化反応速度を制御することによる粒子形態の制御の可能性が示された. 金属アルコキシドの加水分解による極微粒子生成における粒子形態制御の研究として, 粒子形態, 大きさと反応速度論及び粒子成長の関係が粒子形態制御の解明には重要と考え, オルトケイ酸テトラエチル(Si(OC_2H_5)_4, 以下TEOSと略記)の加水分解によるSiO_2粒子の生成を取挙でた. この系では, まず加水分解が起こり, 縮合重合により真球のSiO_2粒子が生成する. 重合反応はTEOS, 触媒であるNH_3, H_2Oについて各々1次である. 粒子の生成は加水分解・均一核生成の後, 核数不変でこれにバルク中のモノマーが反応, 粒子成長して起こる. とくにNH_3濃度を変えることによって粒径分布を狭く保ったまま平均粒径0.03〜0.3μmの範囲で制御できる. また, 溶媒を変えることにより粒径を大きく変化させくことができた. アルコキシドとしてTi(OC_2H_5)_4を用いて同様な機構で球状のチタニア微粒子が生成する.
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