研究課題/領域番号 |
61550720
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
反応工学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
楠 浩一郎 九大, 工学部, 教授 (80037671)
|
研究分担者 |
白石 文秀 九州大学, 工学部, 助手 (90171040)
川上 幸衛 九州大学, 工学部, 助教授 (70091345)
|
研究期間 (年度) |
1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 澱粉 / シクロデキストリン / シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ / 有機溶媒、包接化合物 / 固定化酵素 / セラミックモノリス |
研究概要 |
まず、酵素シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼによる可溶性澱粉からのシクロデキストリン(CD)生成反応に及ぼす有機溶媒(ブタノール,デカノール)添加の効果を調べるために、種々の条件下、長時間加水分解反応を行った。その結果、有機溶媒の添加は、生成するα-CDの長時間後の濃度増加に寄与することがわかった。とくに、ブタノール添加によるα-CDの濃度増大が顕著であった。一方、β-CDの濃度は有機溶媒の添加によって若干減少した。γ-CDを含む全CD濃度の長時間後の値は有機溶媒の添加に伴って若干増大したが、ブタノール添加系では約5%、デカノール添加系では約3%の有機溶媒濃度において最大値を示した。さらに、α-CDと酵素を含む混合水溶液を長時間放置した場合、α-CDは著しく分解転移を受けβ-CDが生成するが、予めデカノールを加えておくとこの転移がある程度阻止されること、またブタノールを添加した場合にはα-CDはまったく転移を受けないことがわかった。以上より、有機溶媒の添加によるα-CDの増収効果は、α-CDが有機溶媒分子との包接化合物を形成し、酵素による分解転移が阻止されるためと推定される。 次に酵素のセラミックモノリス担体への固定化法について検討した。その結果、基本的には、従来より当研究室において種々のアミラーゼの固定化に用いてきた方法が適用可能であった。そこで、固定化酵素量の一層の増大を計るため、架橋剤グルタルアルデヒドの濃度,固定化手順,酵素の精製法などについて検討を重ね、当初のものより約10倍比活性の高い固定化酵素を調製することができた。現在、この固定化酵素モノリスを装填したカラム型バイオリアクターを用いて、有機溶媒の添加を伴う澱粉からの連続的なCD生成を行い、生産速度の増大を計るとともに、本反応器の性能向上を検討している。
|