研究概要 |
ニンニクとアスパラガスの無病株の育成・増殖および順化のための種々の条件について検討したところ, 得られた最適条件の内の幾つかについて述べる. ニンニク:1.3°Cと20°Cで貯蔵した球を用い, in vitroでの茎項の活性を調べたところ, 3°Cで球は茎項の活性は低下せず, 維持され続けた. 20°C球では7月15日から8月1日の間に一度活性がおち, 休眠と関係があると思われた. 8月15日以降は又活性が高まり, 休眠が完全に破れたと思われた. 2.茎項培地で, 初期培養には基本培地にNAA,BAを10^<-2>mg/l添加した培地で, 移植用培地として基本培地に+10^<-1>mg/lNAA+10^<-2>mg/lBA添加培地で幼植物の生長がよく, 球が形成された. 3.増殖にためには, 花床を分割し, 基本培地に10^<-1>mg/lNAAを添加した培地に植付け, 105日間培養をおこなうと菌糸がよくできた. 4.茎項を置床した6ヶ月後, できた幼植物体をロックウールに植え出し, 20°Cで1月間順化すると括着化が高かった. その時の植物体の大きさは球径6mm, 生体重500mgぐらいであった. アスパラガス:1.発根促進培地又は処理として色々検討したところ次の結果を得た. (1)MSにNAA0.3mg/lとBA0.1mg/l添加培地に2〜3週間える芽を置床し, その後MS培地に移植すると, 発根促進効果が高かった. 3週間以上に置床するとカルス形成が見られた. (2)MSに1BA1mg/l添加した培地に雄の基部側のえる芽由来の小植物体を植え付けると70%の発根を誘導した. 他の材料では発根率が低かった. (3)基部側のえる芽由来の小植物体にルートン処理をおこなうと, 雌で80%, 雄で70%の発根を誘導し, これらは良い生長を示した. (4)アニンシドール0.01mg/l又は0.1mg/l添加培地上で培養すると, 雄の菌糸伸長が良かった.
|