研究概要 |
ビオチン標識核酸プローブは放射性同位元素標識核酸プローブより取り扱いが容易であり, in situハイブリダイゼーション法に用いる場合にも, 蛍光色素, 酵素, 金コロイドなど種々のマーカーが利用できるなど有用な点が多い. そこで, in situハイブリダイゼーション法によりタバコモザイクウイルス(TMV)-RNAのプラス鎖及びマイナス鎖を検出するために, ビオチン標識RNAプローブを作製した. TMVの外殻たんぱく質遺伝子のcDNAをSP6プロモーターを持つプラスミドに逆方向に挿入し, ビオチンー11-UTPを加えた反応液でSP6ポリメラーゼを用いてRNAを合成することにより作製した. 一方TMV-RNAのマイナス鎖検出用プローブは, TMV-RNAをアルカリ処理により断片化(200〜600塩基)し, これにフォトビオチンを用いてビオチンを標識する方法で作製した. これらのプローブは, ナイロン膜上に固定したTMV-RNAあるいはTMV感染タバコから抽出した二本鎖TMV-RNAとドット. ブロットハイブリダイゼーションを行い, アルカリホスファターゼ標識アビジンと反応させ, ニトロブリュー・テトラゾリウムで発色させる方法により, 標的RNAと反応することが認められた. またこれらのプローブを用いてスライドグラス上に塗未したTMV感染タバコプロトプラストでin situハイブリダイガーションを行うと, 細胞内にTMV-RNAを検出できた. これらのプローブを用いた電顕レベルにおけるin situハイブリダイゼーションは現在検討中である.
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