研究概要 |
本研究では、デイゴおよびアフリカタヌキマメ種子レクチンをアフィニティカラムクロマトグラフィーにより簡便にしかも迅速に精製する方法を検討した。 デイゴ種子レクチンの精製は、ガラクトースおよびその誘導体からなるセファロース4Bあるいは6Bの12種類のアフィニティクロマト担体のうち、ラクトース-セファロース6Bが最も効果的であることを見出した。すなわち、抽出,DEAE-セルロースおよびラクトース-セファロース6Bによる精製の結果、活性回収率は約80%でしかもディスクおよび免疫電気泳動的に均一であることが確認された。精製レクチンは分子量6万の糖蛋白質で、29000のサブユニット2個が構成されていた。等電点PHは6.0であった。精製レクチンの赤血球凝集活性は、ガラクトースおよびその誘導体により阻害を受け、とくにアーニトロフェニル-B-D-ガラクトピラノシドにより強く阻害された。ヒト赤血球とくにO型血球に対し強い凝集活性を示した。PH2.2〜10.0の範囲内で比較的安定であったが、70℃以上の加熱処理により失活した。 アフリカタヌキマメ種子レクチンは、前述のアフィニィクロマト担体中、α-ガラクトース,メリビオースあるいはラフィノース-セファロース6Bに強い親和性を有し、これらいずれの担体によっても効率よくディスク電気泳動的に均一に精製できることを見出した。精製レクチンは32,000の同一の4個のサブユニットから構成される分子量13万の糖蛋白質であった。精製レクチンの赤血球凝集活性はガラクトースおよびその誘導体により阻害を受け、メリビオース,ラフィノースにより強く阻害を受けた。また、C-1位がα位の糖に選択性を示した。ヒトABO式赤血球に全く反応せず、ウサギおよびラット赤血球を強く凝集した。現在さらに、これら二種のレクチンの性質について調べている。
|