研究課題/領域番号 |
61560133
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
製造化学・食品
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
磯貝 彰 東大, 農学部, 助教授 (20011992)
|
研究分担者 |
鈴木 昭憲 東京大学, 農学部, 教授 (90011907)
|
研究期間 (年度) |
1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | キチナーゼ / 酵素阻害剤 / 昆虫成育制御物質 / 放線菌の代謝産物 / アロサミジン / メチルアロサミジン |
研究概要 |
1.カイコ前蛹より抽出・部分精製したキチナーゼを用い、γ-キチンレッドの分解を指標として、数多くの放線菌代謝産物中に、キチナーゼ阻害物質を検索した結果、スドレプトマイセスに属する2菌株の培養菌体に強力なキチナーゼ阻害物質が存在することを見い出した。この2種の菌を大量に培養し、活性炭クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどによって精製した。 2.単離されたキチナーゼ阻害物質2種のうち1種はアロサミジンと命名し、その構造と、分解反応、NMRスペクトル等によって研究した結果、それは、N-アセチルアロサミン2分子と、アロサミゾリンと名づけたサイクリトルから成る(図1)と決定した。さらに残りの1種はアロサミジンのメチル化体であり(図1)メチルアロサミジンと命名した。 3.アロサミジンは、γ-キチンレッドを用いる検定系では、2μg/mlの濃度でキチナーゼの活性を完全に抑制した。また、ヨトウ幼虫に注射投与すると、4〜8μgの量で、幼虫の脱皮・変態を阻害する活性を有することが判明した。 4.精製したカイコのキチナーゼ、および放線菌のキチナーゼ、植物のキチナーゼに対して、詳細にその結果を調べたところ、アロサミジンは、カイコのキチナーゼに特異的に作用する阻害物質であり、植物のキチナーゼにはまったく効果がなかった。また放線菌のキチナーゼに対してもその効果は弱かった。
|