研究概要 |
メラノイジンの試料としてコーヒー,醤油およびグルコースとグリシンから調製したモデル系メラノイジンを試料とした。 (1)金属キレート能の測定 セファデックスG-100,10およびHPLC用GPCカラムTSK-G3000PWを用いて、FeSO4,CuSO4,ZnSO4を含むpH4 酢酸緩衝液(0.01M)により平衡化した。各試料をクロマトグラフィーにかけ、紫外および可視部吸収で検出しながら溶出液を分画した。画分中の金属濃度を原子吸光により測定した。その結果、キレート金属量の測定値はセファデックスG-100<G-10<G-3000PWの順におおきくなった。即ち、拡散起こりにくい条件を選ぶことが必要であった。 モデル メラノイジンとコーヒーの金属にたいするキレート能の順序はCu>Fe>Znであった。 (2)金属キレート形成による沈澱を利用して、、コーヒー成分の中からキレート能の高い成分を分離した。亜鉛とキレートさせることにより約2%の成分が沈澱した。この沈澱成分は後述の金属キレートカラムによりキレート能の強い成分を含むことがしめされた。 (3)金属キレートセファローズ6Bカラムによりメラノイジンの分離をした。溶出はpH7.65リン酸緩衝液から開始し、pH5迄グラジエントに降下させ最後にEDTAにより金属をカラムから離脱させながら溶出をした。405nmの吸光度で検出した褐色色素は、モデルメラノイジンと醤油の場合、Zn-カラムにたいして殆どアフィニテーを示さず、Fe-カラムに対してはpH7.65で吸着する成分とEDTAで溶出する2成分にわかれた。成分の分離を目的にした場合、Cu-カラムが最適であり、4成分に分離した。
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