研究課題/領域番号 |
61560146
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
製造化学・食品
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
池上 晋 広島大, 生物生産学部, 助教授 (80011980)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | イトマキヒトデ / 胚 / 胞胚形成 / イツリン / DNA合成 / RNA合成 / 蛋白質合成 / 発生 |
研究概要 |
本研究においては朿皮動物イトマキヒトデ卵を使用し、受精卵の細胞分裂を阻害するが核分裂を阻止しない阻害剤を広く微生物代謝産物中に探索した。その結果、枯草菌の生産する環状ペプチドの1種、イツリンA-2がイトマキヒトデの受精卵々割を50μg/ml以上で阻害するが、核分裂を阻害しないことが判明した。その結果、胚は1-細胞のまゝ多核となり、対照胚が細胞核分裂を行う時期に同調して核分裂を繰返すことが観察された。このような多核胚におけるDNA合成速度は正常胚の速度と同一であった。初期卵割期におけるRNA合成はきわめて低い速度に保たれているが、この時期でのRNA合成速度は正常胚と多核胚で有意な差はなかった。多核胚におけるロイシンの取込みは正常胚にくらべてきわめて低い速度であったが、胚細胞内蛋白質合成速度は正常胚と同一であった。しかし、多核胚が受精後6時間半頃に至った時点で核同志の融合が行われ、正常胚に認められる特徴的なRNA合成の賦活が認められなかった。このあと多核胚は死に至った。すなわち、多核胚は胞胚形成時において高分子合成活性が低下し、正常な細胞機能を営むことができなくなるものと結論ずけられる。 以前、報告者はDNA合成の選択的阻害剤アフィディコリンの存在下で飼育したイトマキヒトデ受精卵は染色体の複製が行われないために無核のまゝ細胞分裂を繰返し、胞胚形成時において死に至ることを認めている。本研究と合せ考察すると、イトマキヒトデ胞胚形成には、核分裂も細胞分裂も必要であるが、この時期までは、核の無い状態で細胞分裂が阻止された状態で発生が進行すると結論ずけられる。 以上、イトマキヒトデ胚の特性ずけを中心として、本生物材料が選択的発生阻害剤開発の為にきわめてすぐれた系であることを確認した。
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