研究課題/領域番号 |
61560158
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
濱谷 稔夫 (浜谷 稔夫) 東京大学, 農学部, 教授 (10011933)
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研究分担者 |
倉橋 昭夫 (倉橋 明夫) 東京大学, 農学部付属北海道演習林, 講師 (80012087)
梶 幹男 東京大学, 農学部付属秩父演習林, 助教授 (00152645)
渡邊 定元 東京大学, 農学部付属北海道演習林, 教授 (30182918)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1986年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | トウヒ属 / アカエゾマツ / エゾマツ / 節間雑種 / 天然雑種 / 雑間雑種 / 節間交雑 |
研究概要 |
昭和57年に、従来交雑が困難とされていたトウヒ属トウヒ節エゾマツ(j)とハリモミ節アカエゾマツ(g)の天然雑種を発見したが、両種は生育特性を異にするので、その雑種は互いの欠点を相補えば有望な造林材料であり、また自然条件下での節間雑種生成機構の研究は同属の系統分類を明らかにする上でも重要である。そこで昭和61〜63年度の本研究において、北海道及び本州中部の両節樹種が相接して分布生育する所で雑種の探索・調査を行なった。 本州では関東周辺山地及びアルプスの多くの山塊で探索を行なったが、トウヒとハリモミ節各樹種との同所的あるいは接在的生育地は見当ラズ、従って雑種も発見されなかった。むしろ後者の個体群の乏しさ特にヤツガタケトウヒ株の衰弱が印象付けられた。遺伝子資源保存の上からも早急な措置を必要とする。一方、北海道では3年間で14地域25ヵ所の天然林で詳しい調査を行った結果、9個体が雑種と推定された。特に東大北海道演習林の山部I調査地ではg.j両種合せて164本中5本つまり3%の高率であった。これらの個体と演習林の古い人工林で見出された雑種の人工交配次代家系などとの間で、開芽期、針葉断面の形状・気孔列数、幹の樹皮、一年生枝の有毛性、球果・種子の形状、苗木主軸上側枝形勢状態等の形質について比較した結果、9本中4本はg×jのF_1世代、そして5本はF_1×jつまり戻し交雑世代に当るものと認められた。従って、両者を含む山部Iの林分は雑種群hybrid swarmをなしているものと考えられる。この結果によって、両親種や雑種個体の立木位置関係から雑種の成立に必要な立地条件についても種々検討がなされた。また雑種家系はいずれも、生長では両親種に勝り、晩霜害やエゾマツカサアブラに対する抵抗性の点ではややjよりの傾向を示した。従って、道内の特殊な立地に対する今後の造林材料としても有望なものということができる。
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