研究課題/領域番号 |
61560169
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
橋詰 隼人 鳥取大, 農学部, 助教授 (60032075)
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研究分担者 |
古川 郁夫 鳥取大学, 農学部, 助手 (50032313)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 多雪地帯のヒノキ造林 / 地際部の異常肥大生長 / ヒノキのトックリ病 / 内生ホルモン / 耐やせ地性育種 / アテ材 |
研究概要 |
多雪地帯のヒノキにおける地際部の異常肥大生長,アテ材の形成及びトックリ病の発生について鳥取大学蒜山演習林のヒノキ林で調査した。更にヒノキの耐やせ地性育種の基礎研究として、精英樹及び天然ヒノキの実生苗のやせ地における生育及び肥料に対する反応の違い、及び肥沃地とやせ地に生育する造林木の水ストレスと葉の構造との関係などについて研究した。 鳥大蒜山演習林の【IV】〜【VI】齢級造林地で、幹脚部の異常肥大木が多くみられた。異常肥大木には、トックリ状異常肥大木(トックリ病木)と非トックリ状異常肥大木(幹脚異常肥大木)の二つのタイプがみられた。トックリ病木は、地際部から地上60〜120cmまでトックリ状を呈し、谷・沢筋,斜面下部の緩斜地で多く発生した。幹脚異常肥大木は、異常肥大部の高さがトックリ病木よりも低く、地上50〜60cm以下で、根元曲がり部分の異常肥大が特に顕著であった。後者は急斜地で多く発生した。幹脚部の平均膨大率は正常木が29〜35%,トックリ病木が38〜46%であった。トックリ病木は正常木よりも生長がよく、トックリ症状は10〜15年生頃から現われた。次にトックリ病木と正常木の内生ホルモンを分析したところ、5〜6月の形成層活動の最盛期に地際部の幹と根の組織におけるサイトカイニンの含有量が正常木よりもトックリ病木で多い傾向がみられた。また生育後期における幹のオーキシン含有量がトックリ病木でやや多い傾向がみられた。ヒノキ幼齢木におけるアテ材の形成は斜面の傾斜角及び積雪量と関係があり、急斜地では地上高の高い所までアテができた。またアテは谷側の木部に多く発生した。 ヒノキ稚苗のやせ地における生長及び肥料に対する反応は家系によって差があった。肥沃地で育った生長の良い木はやせ地の生長の悪い木よりも1日の水ストレスの値が小さい傾向がみられた。生長の良い木は悪い木に比べて気孔におけるワックスの分泌が盛んであった。
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