研究課題/領域番号 |
61560174
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
下川 悦郎 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (60041670)
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研究分担者 |
宮内 信文 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (70041621)
地頭薗 隆 鹿児島大学, 農学部, 助手 (50145455)
東 照雄 鹿児島大学, 農学部, 助手 (20094170)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 山崖くずれ / 山くずれの周期性 / 樹木編年 / 表層土 / しらす / 風化花崗岩 / 山崖くずれ危険斜面 / 予測 / 山くずれ / 樹木編年学 / デンドロクロノロジー |
研究概要 |
わが国のような温暖湿潤の気候下では、山崖くずれはその跡地における植生の回復と低密度表層物質の生成を通して場の条件に応じて一定周期で繰り返し起こり、斜面発達の主要なプロセスとなっている。本研究は、こうした山崖くずれの周期性の発現機構を解明すること、同時にこの周期性に基づいて山崖くずれ発生場予測の可能性を検討することを目的として実施したものである。おもに風化花崗岩としらす地域において得られた成果を要約すると次の通りである。 1.風化花崗岩、しらすの両地域とも、山崖くずれは斜面の同じ部位で一部または大部分重復し繰り返し発生し、尾根型斜面を除く急斜面域の全体を覆っている。また、両地域とも同じ斜面における山崖くずれの周期は短く、その跡地の新旧と表層土厚、植生はよく対応している。すなわち、表層土厚はより新しい跡地ではより浅く、より古い跡地ではより厚くなり、一方植生は新しい跡地では陽樹が優占種となるが古い跡地では陰樹が優占種となる。 2.土層観察とサンプリング試料の各種試験によると、山崖くずれ跡地では時間の経過とともに表層部の風化・土壌化が進行する。しらす急斜面においては、100年程度の期間ではこの風化・土壌化は物理的または機械的なものが主であり、粘土鉱物の生成のような質的変化を伴わない。風化花崗岩地域では、物理的・機械的風化に加えて化学的風化による表層土の生成が進行する。 3.山崖くずれ履歴図の作成や表層土厚の計測によって、周期性による山崖くずれ発生場の予測ができる。この方法による危険斜面とは、その跡地形成後長期間が経過し、崩壊材料となる表層土の生成が進んだ斜面部位を言う。斜面の植生と表層土厚はよく対応しており、植生を指標として危険斜面の予測もできる。
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