研究課題/領域番号 |
61560178
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 九州東海大学 |
研究代表者 |
戸田 義宏 九州東海大, 農学部, 助教授 (50070082)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | スギ / 核型 / 核小体 / 胚培養 / 種子発芽率 |
研究概要 |
スギの核型には種内変異がみられ、F染色体の構成によりO型、【I】型、【II】型の3種類が存在する事を先に報告している。また、核型と核小体数との間に相関がみられ、核小体数2個はO型、3個は【I】型、4個は【II】型を示す。 今回、調査した九州林木育種場の100クローンの1細胞当りの核小体数をみると、最大数2個のクローンが66、3個が31クローン、4個が2クローン、5個(3倍体の【II】型)が1クローンの結果を得た。この中で、枝葉の黄白化がみられるクローンの1細胞当りの核小体最大数をみると、2個が3クローン、3個が18クローン、5個が1クローンであり、核小体数3個(【I】型)が約82%を占め、核型と核小体数そして枝葉の黄白化現象との間に何らかの相関がみられる可能性を見い出した。また、同じ方法で行った関西林木育種場四国支場の82クローンの調査では、核小体の最大数2個が66クローン、3個が16クローンであった。枝葉の黄白化現象との関係は今後さらに調査の予定。 胚培養を行なうための適正培地の検討を行なったが好結果を得るには至らなかった。しかし、核型【I】型で知られるイワオスギ(佐賀3号)の種子培養を、バーミキュライトを置床土とし、ハイポネックス1g/lにショ糖0g/l、15g/l、30g/lをそれぞれ添加し、pH5.6に調整した種子発芽試験では、それぞれ平均57%、60%、49%の高い発芽率をみた。佐賀県林業試験場でのイワオスギの種子平均発芽率は10.7%であり、培養することにより大幅な種子発芽率をみる事が明らかとなった。 また、今回、個々の染色体の識別を可能にするためAg-工法の改良を試みたところ、動原体の位置および二次狭窄部の濃染効果を高める事が可能となった。さらに、スギの胚および種子の培養を試みるとともにシイタケの原木として必要なクヌギ、建築材でもあるイヌマキの上胚軸の培養を試みたところ大量増殖への道を開くことができた。
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