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新しい樹幹有用成分(樹幹レクチン)の精製と特性

研究課題

研究課題/領域番号 61560194
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 林産学
研究機関京都大学

研究代表者

黒田 宏之  京大, 木材研究所, 助手 (00115841)

研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワードlectin / trunk / sap / seed / Sophora japonica
研究概要

(1)エンジュ樹幹に存在する血球凝集素(TL)の精製法を確立した:対照として同一樹木の種子レクチン(SL)を同じ方法で精製した(E+OH沈殿およびアフィニテークロマトの2段階)。TL,SL共に超遠心的に単一ピークであることが確認された(【S_(20)】w TL:6.82±0.19,SL:6.68±0.24)。各単一ピークの収率は粗抽出液の総タンパク質当りTL〓27%,SL〓13%でありTLが樹幹中に大量に存在することが確認された。一方血球凝集活性は広く針要樹,広要樹等の樹幹に認められた。(2)TLがタンパク質であることからどのような性質を示すのか上記単一ピークを用いて検討した結果TLはレクチンとしての条件を満すことが証明された:B型血球を凝集するために必要な最小濃度はTL0.58μg/ml,SL0.24μg/ml,A型およびO型血球に対してはTL,SL共に0.58μg/mlであった(TLは血液型特異性を示さない)。血球凝集阻止反応によって糖結合特異性を検討した結果がラクトースおよびそのグリコシドにTL,SL共特異的に結合することが示された。ポリアグリルアミド電気泳動の結果はTL,SLが超遠心的に均一であるにもかかわらず電荷の異なる分子種を含むこと、サブユニットを持つこと、TL,SLは異なる分子種であることなどが明らかになった。(3)搾汁として得られるTLが樹幹のどの部分に分布するのかをFITC標織抗体を用いて光学顕微鏡レベルで明らかにした:大部分のTLは師部柔細胞に局在するが、一部木部や伴細胞中に観察された。しかし、師要素中には全く分布していなかった。以上の研究結果はTLが貯蔵タンパク質としての役割や細胞壁アラビノガラクタンプロテインとの相互作用の可能性を示唆するものとして注目されよう。またTLは着目するに値いする高付加価値物質(レクチン)であり、今後の林産資源として非常に有力な存在であると結論づけられよう。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hiroyuki Kuroda: Wood Research. No.73. 1-7 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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