研究課題/領域番号 |
61560224
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 国立科学博物館 |
研究代表者 |
宮崎 信之 国立科学博物館, 動物研究部, 主任研究官 (40101464)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 小型歯鯨類 / 資源解析 / 年齢 / 再生産 / 食性 / 系統群 / 生態系モデル / 年齢組成 / 漁獲量 |
研究概要 |
我が国では、小型歯鯨類(イルカ類)を対象としたイルカ漁業があり、幾つかの地方で伝統的に営まれている。1983年の捕鯨停止に伴い、国内ではイルカ肉に対する需要が高まり、ここ数年間の捕鯨頭数は増加している。一方国際的には、サケ・マスの流刺網、イカの流刺網に混獲されるイルカ類の資源学的研究が重要な研究課題になってきた。本研究では、このような社会的な背景の基に、日本の周辺海域に生息するイシイルカ、カマイルカ、マイルカ、ゴンドウクジラなどのイルカ類の資源解析に関する基礎研究を行うことを目的とした。 本研究では、日本のイルカ水揚げ地に出掛け、生物学的調査を行った。特に、年齢査定用に歯、再生産機構の解明に生殖腺、食性調査用に胃内容物、系統群研究用に頭骨および内臓の組織を採集し、研究室に持ち帰り解析した。 頭骨の形態、生物学的特性値および生態学的知見により、イシイルカには、ベーリング海、日本海・オホーツク海、三陸沖、北東北太平洋、北西北太平洋および米国太平洋沿岸に別々の系統群があることが明らかになった。現在、各系統群毎に資源量の推定、再生産率の試算を行っている。イシイルカの生態的な位置を明らかにするために、イルカの餌生物の種類や量などを調査した。この結果を基に、生態系モデルを作成し、イシイルカの資源管理に新しい方法の導入を検討している。カマイルカ、マイルカ、ゴンドウクジラに関してもイシイルカと同様な調査を行った。各種とも、日本の周辺海域には、南北にそれぞれ別の系統群が存在していることが明らかになった。これらの種類に関してもイシイルカと同様な新しい資源管理システムの導入を検討している。 今後は、これらの種類に対して、各系統群毎に、生態系モデルを土台にした資源管理システムの構築をめざす。
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