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ナマコ体壁筋の強度変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61560227
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 水産化学
研究機関東京大学

研究代表者

渡部 終五  東京大学, 農学部, 助手 (40111489)

研究期間 (年度) 1986 – 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1987年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1986年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワードマナマコ / ナマコ / 体壁 / 酸性ムコ多糖 / コンドロイチン硫酸 / コラーゲン / 微細構造 / 貫入強度
研究概要

水産無脊椎動物は特有の味, テクスチュアなどを持つが, ナマコも水分が90%以上を占めているにもかかわらず, 煮熟や酢酸などの処理により, さらには生時でも外部刺激により強度が大きく増大する. 他方, ナマコは死後急激に軟化現象を起こし, 体壁の商品価値は著しく損なわれる. 本研究は, この体壁の強度変化の原因物質を究明し, その独特の強度を維持するための貯蔵条件の設定の資とすることを目的とした.
1.マナマコstichopus.japonicas体壁はコラーゲンを主要タンパク質とするが, 貯蔵実験から生ナマコの軟化現象がコラーゲンの酵素的分解によらないことが明らかになった.
2.脱塩処理したマナマコ体壁の強度は0.1MのNa^+やK^+の添加により, 当初の値(0.6-1.4kg)の33-55%に急減し, さらにNa^+では0.3M, K^+では0.4Mで強度が見かけ上消失した. 一方, Ca2+, Mg2+といった2価の陽イオンも0.1Mまでは軟化作用を示したが, それ以上の濃度でも生筋の50%以上の強度がみられた.
3.陽イオンの影響から体壁に酸性ムコ多糖(AGAG)の存在が示唆されたので, その単離精製を試みた. 精製標品は電機泳動および超遠心的に単一で, 電機泳動挙動や化学組成などから, コンドロイチン46-硫酸に極めてよく類ししたAGAGであることが明らかにされた.
4.生体内濃度の0.3mg/mlの精製AGAGの比粘度(hsp)を測定したところ, 当初の0.70が, 各0.1MのNa^+, K^+, Ca^<2+>およびMg^<2+>存在下でそれぞれ0.47, 0.51, 0.49および0.57へと減少した.
5.ルテニウムレッド染色による電顕像から, コラーゲン線維以外空間にAGAGが存在し, 0.4MNa^+処理によりこれが凝集することが明らかとなった.
6.以上の諸結果から, マナマコ体壁の強度変化が体構成成分のAGAGの性状変化に由来することが明らかとなった.

報告書

(2件)
  • 1987 研究成果報告書概要
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 刈谷豊: Conn.Tissue Res.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kariya, Yutaka: "Changes in toughness and ultrastructure of the body wall from sea cucumber Stichopus japonicus in association with acidic glycosaminoglycan" Conn. Tissue Res.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 苅谷豊,渡部終五,落合芳博,S.スリカンタ,橋本周久,村田克己: 結合組織.

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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