研究課題/領域番号 |
61560231
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
鈴木 健 東京水産大, 水産学部, 助手 (90100966)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ニジマス卵 / ホスビチン / リン含有ペプチド / 化学的性状 / 高速液体クロマトグラフィー |
研究概要 |
ニジマス成熟卵にはリン含量の高いタンパク質のホスビチンのほかに、これより低分子のリン含有ペプチドが存在することをこれまでに報告してきたが、本研究ではこれらの化学的性状を明らかにしたいと考えた。ニジマス成熟卵にトリクロル酢酸溶液を加えホモジナイズし、エーテルでトリクロル酢酸を除去した後、エタノールを加えてリン含有ペプチドを析出させた。これを陰イオン交換樹脂Dowex1-×2カラム(1.6×55cm)にかけ、0.4Mピリジン-ギ酸緩衝液、pH5.5により分画したところ少なくも12の画分に分けられた。引き続いてこれらの中の主要な画分をゲルろ過Sephadex G-50カラム(1.6×95cm)に付し0.3M酢酸ナトリウム、pH4.5で溶出したところ、さらに2-3の画分に細分された。これらはおおむね分子量1.100-2.100および分子量4.200-5.500のペプチドから成り、それぞれセリンを主体とする特異的な構成アミノ酸パターンをもち、またセリン量にほぼ匹敵するリン酸を保有することを明らかにした。そこでこれらの分析結果を基にして15種のリン含有ペプチドについて推定アミノ酸構成を提示した。次ぎに、リン含有ペプチドを高速液体クロマトグラフのカラムAsahipak GS32OH(0.76×25cm)に添加し分離条件を検討したところ、溶出液として50mMリン酸ナトリウムpH7.0において最も分離が良く、アセトニトリル、n-プロパノールなどの有機溶剤の添加をしてもこれらの分離はあまり影響を受けないこと、またペプチドの検出法としてはo-フタルアルデヒドによる蛍光法よりも210nmによる紫外検出法のほうが良好であることを知った。このような高速液体クロマトグラフィによりリン含有ペプチドのクロマトグラムのパターンの特徴を明らかにすることができたので、この方法を用いて各種魚卵のリン含有ペプチドの特性および卵成熟中の変化を検討したいと考えている。
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