研究概要 |
低動水勾配時における透水性についてとくに粗粒材を対象として実験を行った. この研究では, 試料箱)150×20×10cm)の中へガラス・ビーズ(3種θ=mm, 15mm)三充てんし, 自由水面をもった流れと被圧状態の流れの状態で透水性の検討を行った. 実験は動水勾配の範囲が0.005〜0.1の低い状態で10数段階の動水勾配をつけて流量と自由水面の水位の測定を行った. 実験結果の整理は, 自由水面をもった流れについては準一様流れと仮定し, まずモデルを一つの要素として考察した. この要素にダルシー則を適用してみると, 実験値から求めた透水係数は各段階の動水勾配に対して透水係数は一定にならない. θ=5mmのモデルについてはほぼ透水係数が一定になる傾向が得られた. 次にモデルについて代表的な断面3点を考えて, その点における水面勾配を動水勾配として検証すると上流側に近い断面においてほぼダルシー則画像適用できるようであるが, 下流側に近い断面においては, ダルシー則からはずれる傾向がみられた. 被圧状態の流れについても, 同じ装置について上記と同様の動水勾配の下で実験を行った. その結果は, 自由水面をもった流れと同様に低動水勾配時においてもダルシー則からはずれる流れになることが明らかになった. 以上のようなことから, 実験を行った動水勾配の範囲において, V=aιbという指数則(Vi流速, ιi動水勾配, a, b, 係数)が成り立つものとして, 両対数グラフ上からa, bを求めるとθ=30mm, 15mmのものについてはb≒0.7程度の値が得られ, ダルシー則からはずれることが明瞭になり, その粗粒材の流下能力はダルシー則に比較して約60%程度になるたとが明らかなり, 実際の設計上この点を考慮に入れなければならないことを示した. 砕石類についても一部実験を行い同様の結果が得られ, 今後も実験を継続して行く予定である.
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