研究概要 |
選果機における管理量としての精度について, 分級の鋭さを示す狭義の「精度」△と, 設定した分級点と実際の分級点との「ずれ」A6C4の両者を分離して計測する手法として, 部分分級効率法を提起した. 本研究では電子計り式重量選果機と画像処理式形状選果機につき, 標準ゲージ法と部分分級効率法の組合せによる, これらの精度を客観的に評価する方法を研究した. 概念的には一定の重量, あるいは一定の寸法・形状を持つ立体を標準ゲージとし, 選果機がこれらの重量や大きさ・形状をどう判断するかで精度を評価する方式である. 重量選果機に対しては, 標準ゲージとして100〜350gまで1gステップの, また精密測定用には175.0〜185.0gで0.1gステップの, 黄銅棒から削り出した分銅を用意した. 測定の精度は標準ゲージの重量ステップの細かさできまる. これを多数回選果機に供給し, ゲージの各重量につき回収された部分分級効率Npを求める. ある回収口について それ以上では部分分級効率が1となる重量と, それ以下では部分分級効率が0になる重量を実験的に求め, 両者間の全重量ステップについて部分分級効率と分銅重量の直線回帰式を計算し, Npが1, 0.5, 0に相当する重量W_1, W_<0.5>, W_0を求める. その回収口の設定値をWsとすれば, 狭義の「精度」△は△=W_1-_0で, 分級点からの「ずれ」A6C4はA6C4=W_<0.5>-W_6で求められる. 画像処理方式形状選果機では重量の代りに代表経をとる. 青果物の幾何形状を球, 投影画像を円と仮定する方式の選果機では, 1mmステップで直径30〜120mm, 直径の誤差が±0.1mm以内の石膏球を作りゲージとし, キュウリのような長物を想定した選果機に対しては円柱の両端に頂角90°の円錐をとりつけた形状のゲージを1mmの長さあるいは太さのステップで製作供試した. この結果, 本方式による評価法の実用性が高いことが判った他, 現用の選果機の持つ精度が極めて高いことも知られた.
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