研究課題/領域番号 |
61560303
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮崎 昭 京都大学, 農学部, 助教授 (80026608)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1988年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1987年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 爆砕処理効果 / 低位利用木質系飼料 / リグニン分解 / メタノール抽出物 / 粗飼料資源 / 爆砕ポプラ / 第一胃内発酵 / セルロース分解能 / でん粉分解能 / カゼイン分解能 / 木材の飼料化 / 爆砕処理 / 第1胃内微生物 / セルラーゼ活性 / デアミナーゼ活性 / プロテェイナーゼ活性 / ポプラ / シラカバ |
研究概要 |
木質系バイオマスは、豊富な有機物資源であり、反すう家畜が利用できる構造性炭水化物を多く含む。しかし木材中の構造性炭水化物はリグニンと固く結びついてるため、その大部分が飼料として直接利用できない。この木材に爆砕処理を施すと、物理的、化学的性状が変化し、その構造性炭水化物の一部が、反すう家畜第一胃内微生物による分解を受け易くなる。しかし爆砕処理によって、木材リグニンが分解されるときに生じる芳香族化合物は通常の飼料中には含まれていない。そこで本研究では爆砕物を家畜に給与して動物の消化率と第一胃内発酵の様相を検討した。まず爆砕シラカバと爆砕ポプラをめん羊に給与したところ、有機物の見かけの消化率はそれぞれ42%と36%であった。爆砕物は粗飼料的性質が弱く、第一胃内での滞留時間が短いため消化率が低下することもあり、飼料として利用するときの形状や組み合わせる飼料に考慮が必要と思われた。爆砕ポプラのメタノール抽出物には、in vitro条件下で、第一胃内の特定の微生物活性を阻害する物質が含まれる可能性が、デンプンとセルロースの分解能を指標とした実験で示唆された。しかし実際に爆砕ポプラをめん羊に給与したとき、第一胃のVFA濃度は対照飼料を給与した場合と変らず、またアンモニア濃度は低いものの、第一胃の微生物の生育を抑制するほど低下しなかったので、爆砕ポプラの給与によって、第一胃発酵はとくに悪影響を受けず、それを飼料として利用してもとくに支障がないことが知られた。結局、爆砕物はそれを給与する形態に考慮すれば、実用上、反すう家畜の飼料の一部として利用しても、ほとんど問題がないことから、粗飼料資源が不足する地域で、これを給与することは好ましいことが明らかとなった。
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