研究概要 |
本研究は昭和61年から62年の2年間にわたって行なわれたものであって, 照度とウズラ産卵に関して数々の興味深い知見が得られ, また, 従来あまり重要と考えられなかった飼育舎内の照度は, 実は産卵に対して大きく影響を及ぼすことが明らかとなった. 1.昭和61年度に得られた研究成果 (1)実験I:本実験では産卵中のウズラ120羽を用い, 平均照度1500lux(I区), 770lux(II区)及び対照として77lux(III区)の産卵率を比較した. その結果, I区とII区はともに95%であって差はなかったが, III区は89%であり, 他の2区よりも有意に低くなった(P<0.01). 放卵リズムの光周期に対する同調性はIII区が低かった. (2)実験II:72羽の産卵中のウズラを用いて, 低照度の影響を調査した. その結果, 産卵率は低照度区は中照度の場合よりも有意に低くなった(P<0.05). また, 放卵リズムの同調性も低照度区は低かった. 2.昭和62年度に得られた研究成果 (1)実験I:144羽のウズラを用い, 800lux(I区), 400lux(II区), 200lux(III区)及び60lux(IV区)の4区を設定した. 20週間にわたって産卵率と放卵リズムを調査した. その結果, 産卵率に関しては実験初期はI区が最も高かったが, 実験が進行すると低下した. 安定して良好な産卵率を示したのはII区とIII区であった. (2)実験II:144羽のウズラを用い, 明期中のどの時間帯を高照度とするのが最も効果的かを調べた. その結果, 明期の前半〜中期を高照度とするのが効果的と判明した. 3.今後の展開 明暗の比率が異なる光周期やAhemeral cycle下のウズラ産卵と照度の関係を追究する.
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