研究課題/領域番号 |
61560352
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
村上 大蔵 (1987-1988) 岩手大学, 農学部, 教授 (00003731)
内藤 善久 (1986) 岩手大, 農学部, 助教授 (40003785)
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研究分担者 |
佐藤 れえ子 岩手大学, 農学部, 助手 (80142892)
内藤 善久 岩手大学, 農学部, 助教授 (40003785)
村上 大蔵 岩手大学, 農学部, 教授 (00003731)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1987年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 起立不能症 / 乳牛 / 低Ca血症 / 分娩麻痺 / ビタミンD代謝 / Ca代謝 / PTH / ビタミンD / 妊娠ラット / ^<45>Caの動態 / 分娩性低Ca血症 / ビタミンD_3 / Ca動態 / カルシトニン / 分娩性起立不能症 / 乳牛;1,25【(OH)_2】D / 25OHD / 乳牛の代謝病 |
研究概要 |
乳牛の分娩前後に発する起立不能症の本態は未だ解明されていないが、本症の約80%はCa剤に反応するいわゆる低Ca血症性の分娩麻痺である。よって本研究は、本症の主因と考えられる低Ca血症の病因の解明と予防法の確立を究極の目的として、次のごとき臨床的・実験的研究を行った。1.分娩後2日以内に起立不能に陥った乳牛23例を対象として、1.25(OH)_2D、PTH、CaおよびPiの血漿濃度を測定した。その結果、分娩後に起立不能を呈する牛の多くは血漿Ca濃度が低下し、Caの調節ホルモンである1.25(OH)_2DとPTHの血漿濃度は血漿Ca濃度の低下に反応して上昇していることが明らかとなった。2.本症に対するビタミンD_3(V+D_3)のアナログである1αOHD_3の予防効果を明らかにする目的で分娩前6時間から8日のホルスタイ種乳牛に500μgの本剤を投与した。その結果、分娩前6時間から2日の間に投与された本剤は分娩後の血漿1.25(OH)_2D濃度を上昇させて、血漿Ca濃度の低下を抑制したが、分娩前7と8日に投与された例では血漿Ca濃度の低下を抑制出来なかった。3.先の実験結果から、ジャージ種乳牛を用いて、分娩前11〜28時間に1αOHD_3500μgを投与し、1αOHD_3の作用機序を究明する目的で行なった結果、分娩前28時間以内に投与された1αOHD_3は、肝において急速に1.25(OH)_2Dに変換され、小腸のCa吸収を増大させることにより分娩後の血漿Ca濃度の低下を抑制し、同時にPTHの分泌も抑制することが明らかとなった。4.本症の病因と予防に関してV-D_3がいかなる役割を果たしているかについて、妊娠ラットをV-D_3投与とV-D_3欠乏群とに分けて基礎的に実験を行った。その結果、V-D_3がCa調節ホルモンに及ぼす影響は妊娠の進行に伴って質的に異なった反応を呈することが示唆された。以上、本症の発症には1.25(OH)_2Dの生成が重要な役割を果たしているとともに、その予防には合成1αOHD_3の分娩前1〜2日の投与が有効と考えられた。
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