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発生過程で生じた脳障害からの機能回復の神経機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61570067
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 神経・筋肉生理学
研究機関大阪大学

研究代表者

村上 富士夫  阪大, 基礎工学部, 講師 (20089882)

研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード発生 / 脳障害 / 機能回復 / 可塑性 / 赤核 / 大脳 / シナプス / レクチン
研究概要

〔目的〕脳の中の神経回路が完成する以前の発生段階で脳に損傷が与えられた場合、異常な神経結合が起るが、成熟時に与えられた脳障害に比べて、はるかに著しい機能の回復が見される。このことは、脳損傷に対して起る一見異常な神経結合の形成は機能回復の基礎となるべくして起る神経回路の再構成である可能性を強く示唆する。本研究の目的は大脳-赤核系をモデルシステムとして用いて、発生過程で生じた脳障害による神経回路の再構成がどのように起るかを細胞レベルで明らかにし、機能の回復との関連の手掛りを得ることにある。
〔方法〕実験には仔ネコ(体重210〜510g)20匹を用いた。動物を2群に分け、対照群10匹には生後20日〜40日(体重210〜510g)の時期に片側の感覚運動領にphaseolous vulgaris leuco-agglutinin(PHA)を電気泳動的に注入し、2週間の生存期間の後灌流固定をおこなった。残りの10匹のネコに関しては、生後約20日〜40日(体重290〜450g)の時期に片側の大脳皮質感覚運動領を吸引除去し、2週間から2ケ月の生存期間ののち灌流固定した。また固定の2週間前に健常側の皮質にPHAを注入した。固定後脳を前額断で50μmの厚さに切り、ABC法を用いて染色した。
〔結果〕同側の赤核にはレクチンでラベルされた無数の線維やシナプスを形成していると思われるふくらみ(varicositv)を含む大脳由来の線維が観察された。対側の赤核においてもレクチンによってラベルされた線維は僅かではあるが見出された。これに対して皮質を吸引除去したネコの健常側の皮質にレクチンを注入した場合は同側の赤核のみならず対側の赤核にも多くの標識線維が観察された。以上の結果から、未成熟ネコでは大脳感覚運動野から対側赤核への交差性投射も僅かに在存するが皮質に損傷を与えることによって交差性の投射が著しく増加することが明らかになった。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 村上富士夫: 神経科学レビュー. 1. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Murakami,F.;Oda,Y.;Tsukahara,N.: Behav.Brain Res.(1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 村上富士夫: 代謝. 24. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 村上富士夫,塚原仲晃: "臨床循環器病講座 脳機能障害の回復機構" 丸善, (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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