研究課題/領域番号 |
61570080
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
酒井 廣子 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (40132732)
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研究分担者 |
中 研一 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (90132737)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 脊椎動物網膜 / 神経回路網 / 白色雑音 / 伝達関数 / 細胞内染色 / ウィナー解析 / 網膜 / アマクリン細胞 / 神経節細胞 / 非線形解析 / 双極細胞 / 電流注入 / 信号伝達 |
研究概要 |
脊椎動物網膜神経回路網の伝達関数と光顕レベルでの神経細胞の同定、電子顕微鏡によるシナプスの同定を行った。結果の概要は以下の通りである。(1)光刺激にたいし同型の応答を誘発するアマクリン細胞と神経節細胞(ON型、OFF型、及びON-OFF型)間の信号伝達は、20HZ周辺でcut offするconstant gain,Lowpass filterに置きかえれる。信号は非反転型であり、伝達速度は速い。(2)異型のアマクリン細胞と神経節細胞間にも信号伝達が相互に行なわれており、この伝達関数は30〜40HZがピークとなるbandpass filterである。ON型神経節細胞への信号は反転型であった。(1)(2)いずれの場合もアマクリン細胞の信号は線形に伝達されていた。(3)形態学上、神経節細胞の樹状突起抹消部は、入出力両者シナプスを形成し、アマクリン細胞や双極細胞と同様に介在ニューロンとして機能していると推定される。(4)電気生理学実験の結果、同型の神経節細胞間に信号伝達が行なわれており、その伝達様式は、constant gain,Lowpass filterであり、信号非反転型であることが判明した。 以上、神経節細胞への信号伝達関数の測定、及び形態学の結果は、網膜内での信号処理様式に関し、新しい知見を提出している。 (1)アマクリン細胞は、非線形成分の発生源であり、そのダイナミックスは、神経節細胞のスパイク列としてコード化される。(2)神経節細胞はその樹状突起を介して網膜内の信号処理に積極的に参加している。(3)ON型とOFF型信号伝達経路は相互干渉を受けている。 網膜は、隣接しあう神経細胞が相互に密接に結合しあう神経回路網である。我々の実験結果から、その非特異的結合は、時々刻々の外界の視覚環境の変化に応じ結合パターンを変え外界情報をスパイク列としてコード化していくと考えられる。
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