研究課題/領域番号 |
61570138
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
成宮 周 京大, 医学部, 助手 (70144350)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | プロスタグラジンE合成酵素 / グルタチオントランスフェラーゼ / ヒト脳 / 神経細胞 / アストログリア細胞 / 抗酵素抗体 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
ヒト脳可溶性画分よりプロスタグラジンE(PGE)合成酵素を精製し、これに対する抗体を作製した。この抗体を用いてPGE合成酵素のサビユニット機構を解析し、ヒト脳切片でPGE合成酵素の免疫組織化学を行った。以下各々について詳述する。 1.前年度の研究で確立した方法に従い、ヒト脳可溶性画分より2種類のPGE合成酵素(以下ピーク1及びピーク2酵素と称す)を精製し、それぞれを抗原としてウサギを免疫した。3〜4回のブースター注射ののち、各々の酵素に対する抗血精を得た。 2.得られた抗ピーク1及び抗ピーク2のポリクローナル抗体を用い、ピーク1及びピーク2酵素の異同及び各々のサブユニット構造を解析した。この2つの酵素はいづれも2量体であり、ピーク1は24.5Kと25Kの2つのサブユニット、ピーク2は25Kの見かけ上単一のサブユニットの2量体である。また、両酵素はPGE合成酵素活性のほかにグルタチオントランスフェラーゼ活性をもつなどの共通性がある。上記抗体を用いたイムノタイトレーションでは、抗体過剰域で抗ピーク1抗体はピーク1及びピーク2酵素に同程度結合した。しかし、抗ピーク2抗体は、ピーク1にはピーク2の半量しか結合しなかった。この結果は、ピーク1と2の25Kサブユニットが共通の抗原性をもつこと、ピーク1の他の24.5Kサブユニットはこれとは異なることを示唆するものと考えられる。 3.上記の2つの抗体を用いて、手術時に得たヒト大脳皮質切片において免疫組織化学を行った。その結果、抗ピーク1抗体によって神経細胞が強陽性となった。また、アストログリア細胞にも陽性所見がみられた。一方、抗ピーク2抗体によっては、神経細胞にのみ陽性所見がみられた。
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