研究概要 |
1.非A非B型肝炎に特異的に発現する遺伝子をみつけるために、以下に示す2つの方法でクローニングを行った。同一チンパンジーで、非A非B型肝炎ウィルス感染前、感染後の肝臓を得ることができなかったので、異なるチンパンジーから2種類の材料を得てmRNAを抽出した。 (1)非A非B型肝炎ウィルス感染材料からのcDNAライブラリーの作製mRNAからcDNAを作成し、λファージにくみこみcDNAライブラリーを作成した。正常肝mRNAC感染肝mRNAから【^(32)P】標識のcDNAを各々作製し、現在cDNAライブラリーをスクリーニングしている。 (2)非A非B型肝炎特異的なcDNAの分離とクローニング 感染肝mRNAよりcDNAを作製し、正常肝mRNAとハイブリッドを形成するcDNAを除き、感染肝mRNAとのみハイブリダイズするcDNAを分離した。これを用いてクローニングを試みている。 2.感染肝細胞初代培養によって、非A非B型肝炎ウィルス遺伝子が同定できるか否かを検討した。 モデル実験系としてアヒル肝細胞初代培養を行い、アヒルB型肝炎ウィルス遺伝子の合成が検出できるか否かを検討した。【^3H】標識チミジンを用いると細胞内,細胞外共にウィルスDNAが確認できた。この方法を用いて、非A非B型肝炎ウィルス遺伝子を【^3H】標識チミジン或いは【^3H】漂識ウリジンで検出できる可能性がでてきた。現在、検出感度について検討し【^(32)P】漂識化合物の利用も考えている。
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