研究課題/領域番号 |
61570154
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
中村 真一 高知医大, 医学部, 講師 (20107816)
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研究分担者 |
馬場 正三 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (40107818)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 細胞動態 / オートラジオグラフィー / 大腸腺腫 / Bromodeoxyuridine / 二重標識 / ex vivo autoradiography |
研究概要 |
ヒト手術摘出消化管(胃・大腸)に対してトリチウムチミジンを用いた、ex vivo autoradiography(ex vivo ARG)とBromodeoxguridine(BrdU)を用いたin vivoでの標識を行ない、消化管の細胞動態を観察した。 結果:1.手術摘出大腸では、in vivo ARGとex vivo ARGの時間間隔を2時間として実験を行なった。Ex vivo ARGが十分な部分では、大腸腺腫でも背景粘膜についても〓期の細胞に両方の標識が得られた。しかし灌流が不十分な所ではBrdUでの標識細胞のみが観察された。 2.手術摘出された胃では、摘出前75時間にBrdUを投与した。手術後人工血液にトリチウムチミジンを加え灌流を行なった。Ex vivoでの標識は明らかであったが、BrdUの標識は不明瞭であった。しかしex vivoでの標識細胞が腺頸部の細胞に限局していたのに対して、BrdUによる標識細胞は胃底腺や幽門腺に不規則に分布していた。腺頸部でもBrdU標識細胞は観察されたが、その標識はごく弱く二重標識細胞の有無は明らかにできなかった。 考察:大腸での実験から、ex vivo ARGとin vivo ARGの標識がほぼ完全に一致し、ex vivo ARGの有用性が確認できた。二重標識については2時間の差は〓期に対しては短かく、10時間以上間隔をあけないと標識の"ズレ"が生じないと考えられた。しかし手術前にBrdUを投与することは、実験のみを目的とする場合は論理上問題があり、慎重にすべきものと考える。胃の実験では、標本上で胃底腺や幽門腺などの分化した細胞へのBrdUの取り込みは観察されたが、腺頸部では標識は非常にうすく十分な観察はできなかった。今後二重標識の時間の間隔をさまざまにかえて、増殖帯での細胞の動きをさらに検討していきたい。画像解析装置を用いた結果、標識細胞の染色性が低下している場合には、十分な解析ができず画像処理についても今後十分に検討する必要がある。
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