研究分担者 |
由良 晶子 近畿大学, 医学部・公衆衛生学, 助手 (80142595)
水戸 英樹 (三戸 秀樹) 近畿大学, 医学部・公衆衛生学, 講師 (00101402)
大国 美智子 近畿大学, 医学部・公衆衛生学, 助教授 (90088542)
早川 和生 近畿大学, 医学部・公衆衛生学, 助手 (70142594)
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研究概要 |
50才以上の中高年双生児107組(一卵性81組, 2卵性26組)について総合的検診を実施した. 双生児の血圧値と各種血清脂質の関連を検討するとともに, 血清脂質等の遺伝寄与率・環境寄与率を推定した. 結果 1.トリグリセリド, 総コレステロール, アポBの血中濃度は, ペアの双方が高血圧の群で最も高く, ペアの双方とも正常血圧の群で低い濃度を示した. HDLコレステロールについては, ペアの双方が高血圧群とペアの双方が正常血圧群の間にほとんど血中濃度に差がみられず, また片方のみ高血圧の群でも高血圧者と正常血圧者が近似した値を示した. 2.血清脂質の中で強い遺伝寄与率(0.6台以上)を示したものはHDLコレステロール, LDLコレステロール, アポBであった. 一方, トリグリセリド, アポAII, アポCIIIにおいては遺伝寄与率が0.2以下で, 環境要因の影響が強いことが示された. 血圧値については, 拡張期, 収縮期ともに中等度の遺伝寄与率(0.5台)となり, 素因の等しい一卵性双生児でも血圧値にある程度の差異がみられることが示された. 3.血清電解質については, ナトリウム, カリウム, カルシウムの遺伝寄与率は0.2台以下となり, 全体的に環境寄与率が高いことが示された. 4.遺伝寄与率の算定において, 重回帰分析を用いて生活環境要因の卵性間差異を補正しても上記の成績は変わらなかった.
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