研究課題/領域番号 |
61570303
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村田 克己 東大, 医学部, 講師 (80010148)
|
研究分担者 |
滝沢 始 東京大学, 医学部, 助手 (80171578)
小林 信之 東京大学, 医学部, 助手 (70186758)
中原 和彦 東京大学, 医学部, 助手 (70101095)
三田村 忠行 東京大学, 医学部, 助手 (10092339)
志賀 淳治 東京大学, 医学部, 助教授 (10110694)
|
研究期間 (年度) |
1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 基底膜構成高分子物質 / 高分子物質の分子変動 |
研究概要 |
組識修復に際してみられる細胞間高分子物質の分子変動として、特に着明なものにヒアルロン酸の増加がある。従来この高分子ヒアルロン酸の分別定量についての高速液体クロマトグラフィーによる測定法は確立されていなかった。われわれは新しくカラム樹脂を検討した結果、硫酸化スチレン-ジベニール-ベンゼン構造のものが良いことを知り、1ugのオーダーでヒアルロン酸の構成二糖を他の多糖のものより分離定量することに成功した(J.Chromatogr.,86)この高速液体クロマトグラフィーによるヒアルロン酸のコンドロイチン硫酸との分別定量の成功は、さらにコンドロイチン硫酸異性体のすべてとの鑑別を可能なものとし、細胞基底膜,内膜構成高分子物質の分子種変動の測定を可能にした。この結果を臨床面に応用し、ヒト血管で検討した。ストレス反応の強い高血圧反応内膜部位と正常血管を大動脈で比較し、さらに冠動脈、脳動脈などでの構成二糖を比較することができた。その結果、小血管にヘパラン硫酸が多くなる事実と、正常部位に対し、高血圧部位においてはデルマタン硫酸およびコンドロイチン-6-硫酸が高くヒアルロン酸は減少する分子種差を見出すことができた。 生体侵襲反応の一つとして細胞膜はその基底膜が増殖する。この際に見られる細胞間マトリックスの高分子タンパク成分であるコラーゲンの分子種を検討したところ細胞増殖の強い基底膜部分にはタイプ【IV】の著明な増加が観察された。これは同じ基底膜物質であるタイプ【V】の増加とも並行して見られた。なお、初めてヒト大動脈壁にタイプ【VI】の存在することを知った(Atherosclerosis,1986)、以上の結果より生体侵襲に際しその修復反応として、基底膜細胞は増殖しそこにおける高分子物質であるヒアルロン酸および基底膜コラーゲンであるタイプ【IV】,【V】,【VI】コラーゲンは増加するという新しい知見を得た。
|