研究課題/領域番号 |
61570340
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
武良 哲雄 医学部附属ステロイド医学研究施設, 化学部門, 講師 (80093631)
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研究分担者 |
三宅 真里子 (三宅 真理子) , 医学部附属ステロイド医学研究施設・化学部門, 助手 (20135883)
猪川 嗣朗 , 医学部附属ステロイド医学研究施設・化学部門, 教授 (70032183)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ラット初代培養肝細胞 / 肝内胆汁うっ滞モデル / 毛細胆管再形成 / 実験的肝細胞障害 / グリチルリチンとプロトポルフィリンの薬効評価 / 加齢による核の過酸化脂質付加物 / 四塩化炭素 / Caイオノフォア / 癌原物質 / 不定期DNAと過酸化脂質付加物 / 加齢による肝機能 / 毛細胆管形成とステロイドホルモン / 細胞密度依存性 / カルシウムイオノフォア / 不定期DNA合成 / グリチルリチン / プロトポルフィリン / 実験的肝内胆汁うっ滞モデル / 胆汁酸動態 / 四塩化炭素障害細胞 / 肝特異酵素の漏出 / ガラクトサミン障害細胞 |
研究概要 |
成熟ラット初代培養肝細胞におけるestradiol-17β-glucuronide(E_2-17G)誘起の肝内胆汁うっ滞モデルを用い、副腎皮質ホルモンおよびフェノバルビタール(PB)等の薬効評価を可能にした。その結果、(1)デキサメタゾン(Dex)はプレドニゾロン(PS)やPBの約500〜1,000倍の効果があり、PSとPBは同等であった。(2)分離直後、培養6時間以内あるいは低細胞密度培養細胞にE_2ー17Gを投与しても肝内胆汁うっ滞は誘起されないが、Dexの前処理および肝細胞膜蛋白質添加により細胞間の接触を密にすると誘起された。(3)リトコール酸とケノデオキシコール酸が著増することから、胆汁酸代謝のalternative pathwayの亢進が考えられる。従って、分離肝細胞からの毛細胆管再形成、細胞骨格および細胞膜と両胆汁酸との関連性を今後検討する必要がある。 また、四塩化炭素やCaーイオノフォアの障害培養肝細胞に対し、(4)グリチルリチン(GL)およびプロトポルフィリン(PP)等は膜障害修復やCPー450誘導等の作用により、その障害が軽減した。(5)GLのED_<50>は60μM、PPでは5μMであった。しかし、後者は多量の投与により細胞への沈着が認められた。(6)培養細胞ではシスティンは吸収されるが、シスチンは吸収されにくいので細胞中のシスティン量は減少し、特に障害肝細胞ではこの傾向が強かった。その結果、システィンおよびグルタチオン量が減少して膜機能の低下と細胞障害が進行する。この時の肝逸脱酵素の漏出量と細胞内Ca量はよい相関を示した(7)成熟および老齢ラットの肝細胞から調製した核画分において、NADPH-ADP-Fe^<3+>共存下での〔3H〕ーアラキドン酸の過酸化脂質量をみると、NDAおよびヒストンへの付加物は老齢肝細胞で有意に上昇した。この様な過酸化脂質による核DNA付加物の増加をGLは防禦した。また、加齢に伴って付加物が増加するのは、外部要因により核DNAが傷害を受け、修復できない場合あるいは蓄積によるためと考えられ、今後検討する。
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