研究課題/領域番号 |
61570342
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
浮田 實 (浮田 実) 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (70151842)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 肝性脳症 / アンモニア / グリア細胞 / GC@MS / 重窒素 / 肝不全 / グルタミン / 分枝鎖アミノ酸 / 高アンモニア血症 / カルシウムイオン / 脳性脳症 / アンモニア代謝 / グルタミン酸 / GC / MS / 臓器相関 / グルタミン代謝 / グルタミン酸代謝 / ガスクロマトグラフィー質量分析 |
研究概要 |
劇症肝炎モデルラットならびに門脈ー下大静脈吻合犬を用いた代謝動態の研究により以下の事を明らかとした。用いた手法は主として^<15>N標識化合物によるトレーサー実験である。 1.末梢組織におけるアンモニア解毒機構に関する検討:脳症を伴う肝不全時の窒素源として効果が期待されている分枝鎖アミノ酸(BCAA)は血中アンモニアを中間解毒してグルタミン(Gln)とするが、ラットでは60分後には再び分解されてアンモニアを生じ尿素回路で処理されざるを得なくなることを明らかとした。即ち高Gln血症は肝不全時においては高アンモニア血症とほとんど同義であると言える。 2.脳内のアンモニア解毒機構に関する検討:アンモニアはグルタミン酸(Glu)を経てGlnへと解毒されてゆくが、我々の実験で明らかになった事は長期にわたってこのような平衡を保つ状態が持続するとやがてGluの蓄積を来すという事であった。即ち脳内アストログリアにおけるGln合成系が障害された事を示しており、従来の考え方、すなわち肝不全といえどもGln合成系は破綻することはないとの説がくつがえされたことになった。更に脳症発現の機序との関わりで重要と思われる成績は、このようにして脳内に停滞したGluは引き続いてGABA側路へと流入し、このGABAの増量が昏睡を惹起する可能性を示唆するデータが得られた事であった。 以上の末梢と脳内におけるアンモニアの代謝動態を考えるとグリア細胞におけるグルタミン合成系の障害が最も重要な点であると言える。その機序の解明こそが肝性脳症のより根本的な治療を開発することになろう。
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