研究分担者 |
坂本 匡一 東京女子医科大学, 内科1, 助手
岡沢 光芝 東京女子医科大学, 内科1, 助手 (40152293)
近藤 光子 東京女子医科大学, 内科1, 助手 (50178430)
安井 修司 東京女子医科大学, 内科1, 助手 (30147392)
工藤 律 東京女子医科大学, 内科1, 助手
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研究概要 |
1.気道線毛運動の測定法:ローズチャンバー内に培養された線毛上皮細胞をおき, ナイロンメッシュにて固定することにより, 程々の薬液による線毛運動を同一領域において観察しえ, 評価することが可能となった. 2.温度と気道線毛及び気道粘膜上皮の機能的形態学的研究:環境温度の変化に伴ない線毛運動周波数はシグモイドカーヴを描きながら, 温度依存性に変化をすることが示された. 高温環境下(38°C, 40°C, 41.5°C, 42°C)では中枢部気道上皮細胞には特に有意な形態学的変化は認められなかったが, クララ細胞はやや膨隆する傾向が認められた. 低温環境下(-30°C, 40°C)においては, 冷気曝露後30分までに, 基底膜近位の細胞間隙の離開が認められ, 線毛細胞の融合像や, 線毛の腔の破壊像が散在性に認められた. しかし, これらの諸変化は, 1時間後にはほぼ本来の形態に復していた. 炎症細胞浸潤は, 冷気曝露後に一過性に顕在化し, 殊に気道粘膜内の血管周囲に特異的にみられる傾向であった. 3.気道過敏性関連物質と線毛運動:気道過敏性の関連因子としてのアセチルコリン, アドレナリン, イソプロテレノール, ニューロキニンA, サブスタンスP, インドメサシンについて線毛運動周波数に与える影響について調べた. 線毛運動の増加はアセチルコリン<アドレナリン<イソプロテレノール, ニューロキニンAの順に認められた. サブスタンスPは線毛運動に影響を及ぼさなかったが, エンケファリナーゼの阻害剤であるサイオーファンにて前処理した線毛については, ニューロキニンAと同程度の線毛運動増加効果のあることが示された.
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