研究分担者 |
三木 茂裕 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (00165987)
千田 彰一 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (30145049)
高野 隆 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (30183437)
湯浅 繁一 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60174827)
松尾 裕英 香川医科大学, 医学部, 教授 (90028514)
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研究概要 |
高血圧自然発症ラット(SHR)における血圧上昇機序を血管平滑筋細胞内の電解質代謝の面から検討する目的で, 本年度は, 初年度に引き続き微小イオン電極における基礎的検討, 並びに, SHR尾動脈平滑筋細胞の電気生理学的検討を行った. 1.微小イオン電極の生体応用への検討:Naイオン電極, Caイオン電極の性能に関して, 生体応用の点から検討を行った. その結果, Naイオン電極は, slopeは55〜58mVと良好であるが, Kイオンに対する選択性(SNa・K)が0.020〜0.025であり, 細胞内Kイオン活動度の変化を無視し得ない. 従って, 平滑筋細胞内のNaイオンの変化を検討する為には, 同時に細胞内Kイオンの変化をモニタする必要がある. この為, 現在, Naイオン電極・Kイオン電極・KCl電極によるtriple-barreled microelectrodeを試作, その性能を検討中である. Caイオン電極はslopeは20〜25mVであるがCaイオン活動度の測定限度が10^<-6>〜10^<-7>Mであり, 平滑筋細胞内のCaイオンが10^<-6>〜10^<-8>Mのレベルで変動すると予想されることより, 現状では, 生体応用が困難と考えられ, 現在, 他のイオン交換液を用い検討中である. 2.SHR尾動脈平滑筋細胞の電気生理学的特性に関する検討:in vivo実験系において, KCl微小電極を用いSHR及びWKYの尾動脈平滑筋細胞膜電位の測定を行ないその結果, 5週令では, 膜電位に差を認めないが, 13週令以降のSHRでは, 膜電位は, 対照のWKYに比べ低電位であり, α_1-blocker投与により, SHRのみ過分極を認め電位はWKYと同レベルに復した. exogenousにnorepinephrineを投与すると, 両群共, 同程度の脱分極を認めた. 以上より, adult SHRにおける低膜電位に内因性のnorepinephrine代謝の関与を示唆する成績が得られた. 現在, 2.に示す現象とNa^+, K^+代謝の関係について微小イオン電極を用い検討中である.
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