研究分担者 |
藤原 康史 愛媛大学, 医学部, 助手 (80156934)
関谷 達人 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (50171343)
西山 誠一 愛媛大学, 医学部, 元助手 (60145084)
高田 泰治 愛媛大学, 医学部附属病院, 元講師 (20127898)
村上 英紀 愛媛大学, 医学部, 助手 (90110832)
|
研究概要 |
レニン・アンジオテンシン系は生体における血圧調節及び水・電解質のホメオスターシスに重要な役割を演じている. この系の律速点は腎から血中へのレニン分泌量の変動である. レニン分泌調節機序を調べるために高度に単離した傍糸球体細胞を用いた報告はみあたらない. この研究はラット腎から高度に傍糸球体細胞を単離することを目的とした. 動物は200-250gの雄ラットを用い, in-situで両側腎を0.1nクエン酸で灌流した. 両側腎を摘出し, 腎皮質のみを1mm3立方体に刻み, 0.1%コラゲナーゼを含んだ培養液で1時間反応させた. この細胞を含んだ培養液をナイロンメッシュ(25μn)でふるい分け, 通過した細胞(30-40×10^6個)を2mlの培養液に浮遊させた. 次いで50mlカルチャーチューブに底から1.10, 1.08, 1.06, 1.04, 1.02の5種類のPercoll液を各々5mlずつ重層させた. コラゲナーゼ処理した2mlの細胞浮遊液を最上層に加えて遠心(1,000g, 30分)した. 遠心後, 上層から連続的に細胞浮遊液を採取し, 1分画2.5mlずつ10個の細胞分画を得た. 細胞のviabilityはトリパンブルー排除能から測定し, 画分画ともに80%以上が生細胞であった. Percoll密度勾配法で得られた上から5番目の細胞分画中だけに特異的に高いレニン活性が認められた. 電子顕微鏡の所見から, この細胞分画中の細胞のうち16%がレニン顆粒を有する傍糸球体細胞であった. 傍糸球体細胞は腎を構築する全細胞のうち0.01%の割合で存在する. 従って, 腎組織から傍糸球体細胞を単離することは非常に困難である. この研究はメッシュ法と密度勾配遠心法により, ラット腎から高度に傍糸球体細胞を単離できることを明らかにした.
|