研究課題/領域番号 |
61570427
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
吉村 学 京府医大, 医学部, 講師 (40094453)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 食塩の昇圧機序 / 交感神経活動 / ノルアドレナリン / 圧受容体反射 / ドーパミン / ワゾプレッシン / 心房性ナトリウム利尿ホルモン |
研究概要 |
目的:食塩の過剰接種で血圧上昇を来す機序に占める交感神経の役割をラットで検討した。1:圧受容体反射の影響。食塩負荷1週後より血圧は上昇するが、尿中ノルアドレナリン(NA)は2週後より増量する。心拍数は早期に低下し2週後に復元する。交感神経活動は1週後に低下し、2週後より増大するが、圧受容体反射系求心路の除神経では一過性低下を認めず、逆に亢進した。従って負荷にて亢進した交感神経活動が、循還血漿量増大に基づく心肺圧受容体反射及び血圧上昇に基づく動脈圧受容体反射系の作動で交感神経活動が一過性に抑制され、その抑制消失する2週後よりNA放出が増大して更に昇圧すると考えられる。2:ドーパミン(DA)の影響。DAは交感神経末端の【DA_2】受容体を介してNA放出を抑制するが、負荷1週後に血漿及び尿中排池DA量が一過性に増量することから、増量したDAによる交感神経末端でのNA放出が一過性に抑圧され、その後のDA値の復元と共にNA放出が増大すると考えられる。3:ワゾプレッシン(AVP)と心房性Na利尿ホルモン(ANP)の影響。負荷1週後よりAVP放出量は増大し、AVP拮杭薬で降圧することより、AVPは血圧上昇に関与する。更に脳室へのアンジオテンシン【II】(A【II】)投与でAVPの増量と共に交感神経活動は亢進する。しかし。ANPの前処置はこの増量及び亢進を抑制し、食塩負荷にて脳内ANP濃度が上昇することから、脳内に於てANPはA【II】によるAVP放出及び交感神経活動亢進に拮抗する機構の存在が示唆される。まとめ:食塩負荷早期により交感神経活動は亢進するが、早期に出現する循環血漿量の増量や昇圧に基づく圧受容体反射の作動、交感神経末端や腎より放出増大するDAによるNA放出抑制及び脳内ANP増大に基づくAVPや交感神経活動の抑制により一過性にNA放出は抑制されるが、2週後に於てこの抑制要因の消失と共に交感神経活動は亢進して血圧上昇を来すと考えられる。
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