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ヒト正常色素細胞培養系における色素生成の紫外線による誘発機構について

研究課題

研究課題/領域番号 61570483
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 皮膚科学
研究機関東北大学

研究代表者

富田 靖  東北大, 医学部, 講師 (70108512)

研究分担者 小幡 正明  東北大学, 医学部, 講師 (20124563)
研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード紫外線 / 色素細胞 / 色素沈着 / チロジナーゼ / ビタミン【D_3】 / プロスタグラン【E_2】 / メラニン
研究概要

日光照射による皮膚の色素沈着はあまりにもありふれた現象であるが、その機構は不明である。つまり紫外線という"引き金"と色素沈着という"結果"の間のメカニズムについては何も知られていない。既に我々はメラニン産生酵素チロジナーゼ(Tase)に対するモノクロナール抗体(MoAb)を得て、また正常ヒト色素細胞の簡単な培養法を開発した。さて中波長紫外線(UVB)により皮膚でビタミン【D_3】(【VD_3】)がプロビタミン【D_3】(pro【VD_3】)より産生される事が古くから知られている。また【VD_3】は肝や腎で活性型ビタミン【D_3】(act【VD_3】)に代謝され、これはカルシウムのホメオスタシスに関与する。また紫外線照射後の紅斑を始めとする様々な皮膚の炎症において、皮膚のプロスタグランジンE(PGE)類の濃度が上昇する事から、炎症時におけるPGE類の役割について最近注目されている。本研究では、色素細胞に対する【VD_3】類およびPGE類の直接作用効果を、抗Tase-MoAbを用いた免疫組織染色により、Taseの量と細胞の形態変化を指標にして調べた。その結果(1)【VD_3】は培養色素細胞のTase量を増すばかりでなく、細胞を紡錘形から樹枝状の細胞へと変換する。なおこれらの変化は日光照射後に見られる皮膚の色素細胞の変化と同様である。(2)【PGE_2】はTase量を増す事なく色素細胞を樹枝状にする。(3)pro【VD_3】,act【VD_3】および【PGE_1】は培養色素細胞に何んの影響も与えなかった。以上の結果より日光による皮膚の色素沈着の機構は、UVBにより生成した【VD_3】が色素細胞に作用して、Taseを増し、それにより産生増加したメラニンを、【VD_3】および【PGE_2】により多数出現した樹枝状突起が活発に周囲の角化細胞に分泌する事がその機構と考えられる。なお本研究で、【VD_3】と【PGE_2】がヒト色素細胞に作用する事、そして日光による皮膚の色素生成および色素増加の機構が初めて明らかにされた。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Yasushi TOMITA et al: Tohoku J Exp Med. 149. 451-452 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Yasushi TOMITA et al: J Invest Dermatol. 87. 447 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Yasushi TOMITA et al: Proceeding of the Japanese Society for Investigative Dermatology. 10. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Yasushi TOMITA et al: Science.

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Yasushi TOMITA et al: J Invest Dermatol.

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 富田靖: 財団法人日本リディアオリリー協会61年度年報. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Yasushi TOMITA et al: "Structure and Function of Melanin.Vol.4" Fuji-Shoin Co.Ltd., (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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