研究課題/領域番号 |
61570486
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
斎田 俊明 (斉田 俊明) 信州大学, 医学部, 助教授 (10010381)
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研究分担者 |
吉田 永子 信州大学, 医学部, 助手 (10201005)
松本 和彦 信州大学, 医学部, 助手 (40165882)
松井 雅彦 信州大学, 医学部, 助手 (10135155)
河内 繁雄 信州大学, 医学部, 助手 (20143969)
池川 修一 信州大学, 医学部, 助手 (60184412)
石原 八州司 信州大学, 医学部付属病院, 医員
羽生田 久美子 信州大, 医学部・皮膚科, 助手
山路 和彦 信州大, 医学部・皮膚科, 助手 (80126713)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 悪性黒色腫 / 糖鎖抗原 / Hanganutziu-Deicher抗原 / 腫瘍免疫 / 足底悪性黒色腫早期病変 / 爪部悪性黒色腫早期病変 / 早期診断 / 診断基準 / ガングリオシド / 免疫組織化学 / 臨床指針 / 悪性黒色腫関連抗原 / 腫瘍マーカー / P97抗原 / 異好性抗原 / 異好性抗体 / シアル酸 / 混合受身凝集法 / 腫瘍関連抗原 |
研究概要 |
本研究において下記の知見と成果がえられた。1.ヒト悪性黒色腫の糖鎖抗原の表現には、同一腫瘍巣内の細胞間にも顕著な差異が認められることがある。このことは、単クローン抗体を診断や治療に用いる際に注意すべき重要な問題点であるといえる。2.Hanganutziu-Deicher(HD)抗原は、ヒトの正常組織には存在しないシアル酸であるN-glycolylneuraminic acidを抗原決定基とする異好性抗原である。この糖鎖抗原について下記のことを明らかにした。(1)培養ヒト悪性黒色腫細胞株にはHD抗原の表現がflow cytometryにて明瞭に認められる。(2)悪性黒色腫の新鮮凍結組織より抽出されたガングリオシド分画中には、薄層クロマトグラフィー上、HD_5とHD_7とにほぼ一致する位置にHD抗原活性陽性物質が検出される。(3)アフィニティークロマトグラフィー精製抗HD_3抗体を用いた免疫組織化学的検索にて、パラフィン包埋ヒト悪性黒色腫組織片にHD抗原陽性の腫瘍細胞が見出された。(4)悪性黒色腫患者血清55検体中12検体(22%)にELISAにてIgG型の抗HD抗体が検出された。以上より、ヒト悪性黒色腫細胞にはHD抗原が免疫原性を有する形で高率に表現されているものと考えられる。本抗原は正常組織には存在しないものであるので、腫瘍免疫の観点から診断や治療への応用が期待される。3.本邦人に多くみられる足底と爪部の悪性黒色腫について、早期病変の特徴を検討し、以下の研究成果をあげた。(1)足底悪性黒色腫早期病変の臨床的、病理組織学的特徴を明らかにした。(2)足底悪性黒色腫を早期に検出するための臨床指針を具体的に提示した。(3)足底悪性黒色腫早期病変について、病理組織学的診断基準(案)を作成して提示した。(4)爪部悪性黒色腫早期病変の臨床的、病理組織学的特徴を明らかにし、これを早期に検出するための臨床指針を作成した。
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