研究課題/領域番号 |
61570515
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
水口 和夫 大阪市立医学, 医学部, 助教授 (50145794)
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研究分担者 |
高島 澄夫 大阪市立大学, 医学部, 助手 (40187951)
中村 健治 大阪市立大学, 医学部, 助手 (00145781)
中塚 春樹 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60137213)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 門脈塞栓術 / 肝細胞癌 / 門脈内腫瘍栓 / 塞栓物質 / 肝悪性腫瘍 / リピオドール・フィブリン糊 / リピオドール・イソブチルー2-シアノアクリレート / 原発性肝細胞癌 / トロンビン液 / フィブリノーゲン液 / リピオドール |
研究概要 |
原発性肝細胞癌(肝癌)症例に対し門脈内腫瘍塞栓の進展による肝内転移を阻止すると共に外科的剔出術の適応範囲を広げるための門脈塞栓術を施行後、その安全性を確かめた上で臨床齢への応用を計ることを本研究の骨子とする。in vitroではトロンビン液、フィブリノゲン液およびリピオドールの混合液(Lp-fibrin糊)にて各種の門脈塞栓物質を作成したトロンビン濃度5単位/mlのLp-ibrin糊が最適と考えられた。このLp-brin糊を用い成犬にて門脈塞栓効果を検討したところ、Lp-fibrin糊の塞栓持続時間は、2週後では閉塞が持続していたが、4週後では半数に再開通が見られた。Lp-fibrin糊により門脈塞栓を受けた成犬の血中酵素変動は一過性であった。またその摘出肝の門脈内にはほとんど赤色調をまじえることの無いゼラチン様物質が見られ、塞栓直後群やその後の閉塞群では塞栓物質が門脈内腔に詰まっていた。しかし門脈壁とは付着していないか付着している齢でもその程度および範囲は軽度で、用手的剥離は容易であった。開通齢では塞栓物質の内腔につまっている齢は見られなかった。Lp-ibrin糊では永続的塞栓物質とは成りえないことが判明したためにイソブチル-2-シアノアクリレートによりLp-IBCを作成し同様手技にて門脈閉塞持続時間を検討したところ、4週後まで門脈閉塞は完全で、塞栓後の肝機能の変動も軽微であることが分かった。また組織学的にも4週後にも全齢門脈壁と付着しておりLp-ibrin糊注入齢と比較して充填度が高かった。門脈壁およびその周囲組織には初期には大食細胞などの浸潤が見られたが、4週後にはほとんど認められなかった。臨床列への応用例は未だ少ないが本法施行後の非癌部肝葉は著明に代償性肥大を来すことが示唆され、今後の本法の臨床例への適応が期待された。
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