研究課題/領域番号 |
61570534
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 東邦大学 (1988) 東邦大学医療短期大学 (1986-1987) |
研究代表者 |
奥平 進之 東邦大学, 医学部, 助教授 (80104199)
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研究分担者 |
山根 基輝 東京医科大学, 医学部, 講師 (50104162)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | MHBAA / 橋背側部投与、 / レム睡眠、 / 明期投与、 / 暗期投与、 / 日内変動 / 橋背側部投与 / レム睡眠 / 暗期投与 / 脳橋背側部 |
研究概要 |
睡眠障害や生体リズム障害、分裂病や老人性痴呆の病態解明の手がかりに、またMHBAA (1-methyl heptyl-γ-bromoacetoacetate) を睡眠物質 (レム睡眠物質) の候補者として検討すべく、MHBAAの生体への影響を研究している。これまでに得られたMHBAAの特徴は、内因性MHBAAは覚醒期に高く、睡眠期に低いという日内変動を示すこと、断眠実験結果ら、全断眠ではMHBAAは低いが、レム断眠では高濃度を保つことであり、我々はMHBAAが睡眠をとることで作られ、その抗コリンエステラーゼ作用により、レム睡眠を誘発しながら、レム睡眠時に消費される可能性があることを考えてきた。本研究ではこのような内因性MHBAAの変化に対する外因性MHBAAの生体への影響を慢性ネコを用い生物学的に検討した。すなわち、4週間以上、LD=12:12 (明期06:00-18:00、暗期18:00-06:00) の明暗条件下で飼育したネコに脳波記録電極、薬物投与カニューレを装着手術し、その後、明期 (10:00) と暗期 (22:00) にカニューレより橋背側部へ合成MHBAA (250nl、683nmol) を投与した。投与に先立ち、同部位にネオスティグミン (20ug/250nl Saline) を投与し、レム睡眠類似状態を確認した。なお投与後は48時間ポリグラフを観察し、対照値 (生理食塩水 (250nl) 投与時の睡眠・覚醒変数) と比較検討した。 明期投与 [10:00] 群 (N=4) では睡眠が速まり、24時間内のレム睡眠量が有意に増加し、覚醒量が有意に減少した。レム睡眠増加の顕著な時期は投与後6時間までであった。一方暗期投与 [22:00] 群 (N=5) では、睡眠促進作用が認められず、また投与後24時間では覚醒・睡眠量に大きな変化を認めなかった。しかしながらレム睡眠は投与後5時間目で有意に増加した。以上より合成MHBAAのレム睡眠誘発作用を生物学的に証明出来たが、内因性MHBAAの変動に影響されることが分かった。
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