研究課題/領域番号 |
61570538
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
牧野 英一 千葉大学, 医学部第二内科, 講師 (50009578)
|
研究期間 (年度) |
1986 – 1987
|
研究課題ステータス |
完了 (1987年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1987年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | インスリン / 脂肪細胞 / サイクリックAMP分解酵素 / 肥満 / 食餌制限 / ソマトメジンC / griseolic acid / cAMP / 脂肪分解抑制作用 / phosphodiesterase / Griseolic Acid |
研究概要 |
インスリンの抗脂肪分解作用はlow km cAMP phosphodiesterase(PDE)の活性化によるcAMPの低下によると考えられている. 昨年度は新しいPDE阻害剤であるgriseolic acidを用いてこの説が正しいことを証明した. これまでにこのPDE活性化系は種々の病態時に鋭敏に反応しポストレセプターのインスリン感受性を知る手法として大変優れていることを報告してきた. 自然発症肥満ラットにおいてはこのPDE活性化系の著明な低下が認められこの原因としてポストレセプターの異常が推定された. 今回この肥満ラットにおいて食餌制限により肥満の軽減と共に脂肪細胞におけるPDEのインスリン感受性も改善することを認めた. 更に高脂肪食を負荷して作製した肥満ラット脂肪細胞においてこのPDEのインスリン感受性は低下していた. 即ち後天性の肥満におけるインスリン抵抗性は可逆性であることを証明した. 更にヒトの皮下脂肪細胞においてもこのPDE活性化系が存在しインスリンにより鋭敏に反応することを認めた. 一方ラット脂肪細胞を予めトリプシンで処理しインスリンレセプターを破壊しておくとその破壊に応じてインスリンによるPDEの活性化が消失することを証明した. 更に抗インスリンレセプター抗体によりこのPDEの活性化が起こることを認めた. 即ちこのPDE活性化系に於いてもインスリン作用の第一段階はレセプターへのインスリンの結合であることが証明された. ソマトメヂンCはインスリン様作用を示すが脂肪細胞に於いてインスリンと同様にこのPDEを活性化することを報告した. 更にこの作用はインスリンレセプターを破壊すると消失すること, 不活性型はその作用のないこと等よりインスリンレセプターを介する反応であることが判明した. 以上よりこのPDE活性化系はポストレセプターに於けるインスリン作用を調べる大変優れた方法であることを明らかにした.
|