研究課題/領域番号 |
61570545
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山田 隆司 信大, 医学部, 教授 (60008282)
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研究分担者 |
相沢 徹 信州大学, 医学部老年科, 助手 (90150896)
小宮 一郎 信州大学, 医学部老年科, 助手 (50162061)
小泉 陽一 信州大学, 医学部老年科, 助手 (10109176)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | TSH変容体抗体 / 抗DNA抗体 / バセドウ病 |
研究概要 |
甲状腺細胞膜TSH受容体に関する研究を実施中、我々の発見した画期的発見は、アマーシャム社製キットを用いると、未治療バセドウ病患者血中にTSH受容体抗体と共に抗DNA抗体が検出されることである。この世界始めての発見について、我々はその生理的意味を解明するため、次の如き検討を行なった。(1)未治療患者:180名の未治療患者について調べると、その90%が抗DNA抗体を有していた。又同時に測られたTSH受容作抗体も90%に陽性であった。両抗体の力価を比較すると、【y_3】には、はっきりした相関はないが、2/3には明らかに相関がみられた。抗DNA抗体は正常人や単純性甲状腺腫患者には全く発見されなかった。又自巳免疫疾患たる橋本病やビールスによる亜急性甲状腺炎患者の20%にしか抗DNA抗体が発見されないことから、この抗DNA抗体がバセドウ病に特有のものと快論された。(2)治療と抗DNA抗体:バセドウ病患者を抗甲状腺剤で治療するとTSH受容体は次第に減少するが、抗DNA抗体もまた治療につれ減少した。治療により【T_3】抑制が可能となると、抗DNA抗体は僅か3%にしか存在せず、TSH受容体抗体もほぼこれに見合う陽性率を示した。一方【T_3】抑制の不可能な群では、抗DNA抗体及びTSH変容体抗体は夫が50-40%の陽性を示した。このことはバセドウ病の治療によって抗DNA抗体が減少し、寛解と共に抗DNA抗体の消失することを示している。(3)抗DNA抗体の性質:抗体は必ずしもdouble stand DNAに向けられたものではなく、IgGのみならずIgMにも含まれていた。又抗体は非常に不安定で、簡単に崩壊する性質を有していた。以上の研究により、従来知らされていなかったバセドウ病に於ける免疫機構が次第に明らかにされつつあるものと信ずる。
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