研究概要 |
新しい視床下部因子 とくに成長ホルモン分泌促進因子(GRF) 血管作動性腸管ペプチド(VIP) ペプチドヒスチジンイソロイシン(PHI)の分泌調節機序について, ラットを用いてin vitroならびにin vivoの系で検討を加えた. 無麻酔ラットを用いるin vivoの実験系において, セロトニンやセロトニンの前〓体(5-HTP)の投与は, 血漿成長ホルモン(GH)ならびにプロラクチン(PRL)をいずれも増加させた. これらやセロトニン作動薬による血漿GHの増加は特異的な抗GRF血清の前投与によって明らかに抑制された. また抗VIP血清や抗PHI血清の前投与はセロトニンによる血漿PRL増加反応を明らかに抑制した. 新しい脳内ペプチドgdlaninの脳室内投与は血漿GH PRLをいずれも用量反応的に増加させた. Galanin脳室内投与時の血漿GH, PRLの増加反応は, それぞれ, 抗PRL血清, 抗VIP血清の前投与によって明らかに抑制された. ラット視床下部切片潅流時のGRF, VIP放出は, それぞれ高カリウム濃度(56mM), セロトニン, galaninの添加によって明らかに促進された. これらの成績から, 脳内セロトニン, galaninはいずれもGRFを介して下垂体GH分泌に促進的に, 視床下部VIP, PHFを介してPRL分泌に促進的に作用することが示唆された.
|