研究課題/領域番号 |
61570616
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
辻 秀男 九大, 生体防医研, 教授 (70038503)
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研究分担者 |
内田 一郎 九州大学, 生体防御医学研究所, 医員
麻生 宰 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (90038521)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | インシュリン抵抗性 / インシュリンフランプ法 / 硬膜外麻酔 / 内分泌代謝反応 |
研究概要 |
術前後のインシュリン抵抗性の変化およびその機序を明らかにする目的で以下の検討を行った。 方法:術前に正常耐糖能をもつ待期的上腹部手術18例(胃癌、胆石等)を対象とし、これらの半数を全麻群(フローセン麻酔、術後除痛はペンタゾシン筋注)、半数は硬麻群(【Th_3】に至る硬麻、術後除痛は硬膜外モルフィン投与)とした。これらに対して術前と術後1日目にeuglycemic insulin clamo法を施行したが、血中インシュリン濃度と糖消失速度(M)との関係を示すdose-response curveを作製し、術後インシュリン抵抗性の機序を検討した。さらに術中術後の内分泌代謝反応を測定した。 結果:1.Mは両群とも術後に例外なしに低下し、この低下は血中インシュリン濃度を上昇することでも防止されなかった。つまり、両群とも術後1日目にはdose-response curveは下方へシフトしたが、このことより術後のインシュリン抵抗性の機序としてpost-reseptor defectの存在が示唆された。2.上記の術後インシュリン抵抗性の程度は、硬麻群では全麻群に比べて有意に軽度であった。3.インシュリンクリアランス率は術後上昇するものと低下するものがあり、一定の傾向は認められなかった。4.硬麻群では術中の血糖、術後のコルチゾールならびにグルカゴン、術後のノルアドレナリン排泄量が全麻群に比べ低く、内分泌代謝反応の抑制が認められた。 結論:1.待期的腹部手術後にみられるインシュリン抵抗性はpostreceptordefectによるものと思われる。2.硬麻による神経遮断あるいは硬膜外モルフィンによる除痛は、術後の内分泌代謝反応を抑制するとともに上記インシュリン抵抗性を軽減し、術後の生体に有利と考えられる。
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