研究概要 |
人工肺の配置変換による回路の単純化を行った。現在臨床使用の肝補助装置は摘出肝に酸素化された血液を送るため血液リザーバーにもどしていた。この回路及びポンプを省略して人工肺及び摘出肝への送血ポンプを共有とし摘出肝に流入する血液回路に直列に人工肺を組み込んだ系を製作した。肝灌流開始時には温度変化による気泡発生のため気泡除去装置が必要である事が判明したので、これを回路に直列に組み込んだ。 摘出肝への血液流量を変化させ摘出肝直前の血中酸素分圧,PHを経時的に測定したところ、酸素流量5+0.2L/min,炭酸ガス濃度は0-3%にて肝流入血中のガス分析値を正常範囲に維持出来る事が判明した。 この時持続的に測定した酸素分圧,PH値の表示値と採血による実測値の相関関係を調ベた所酸素分圧の実測値と持続測定値にはバラツキが認められるが、PHの持続的測定値とガス分析値は良く相関した(¨=0.828,P<0.05)、 この時の摘出灌流肝のenergy charge(ATP+0.5ADP/ATP+ADP+AMP)及びこれとよく相関する血中ケトン体比(acetoacetate/3-hydroxybutyrate)を測定しその生物学的viabilityが維持されているかどうかの判定を行った。摘出肝のenrgy chrageを経時的に測定するためにthrough cut針による肝biopsy標本のadenine nucleotide値のHPLCにより測定法を開発した。豚灌流肝の場合灌流4-5時間以降については灌流肝のenergy chrageの局所的差異が著名となったが、それらの平均値が流出血のケトン体比と相関しているとかんがえられた。(現在継続中)
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