研究分担者 |
桜井 洋一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60170651)
大石 崇 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80168856)
原 彰男 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70173060)
菅野 康吉 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00171124)
寺本 龍生 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00146713)
|
研究概要 |
単クローン抗体NCC-ST-439を用いたサンドウィッチRIAを開発し, 基礎的ならびに臨床的検討を行った. (1)アッセイ法はポリスチレンビーズを固相とする前方サンドウィッチ法であり, ^<125>I.-標識二次抗体はラクトペルオキシダーゼ法により行った. (2)希釈試験, 添加回収試験, 変異係数の測定などの基礎的検討では, いずれも十分な測定精度を示し, 臨床応用に適したアッセイ系であると考えられた. (3)健常成人の血清中NCC-ST-439抗原量は5.72±2.98units/ml(平均±SD)であり, カットオフ値を12units/mlとした. 抗原量は若年女性で高値を示す傾向が認められたが, 癌年令である40歳以上では全例カットオフ値以下であった. (4) 各種癌疾患における測定では, 比較的多種類の臓器由来の癌で平均20〜40%の陽性率を示し, これらの多種の癌に共通した癌関連糖鎖抗原であると考えられたが, F癌, 再発大腸癌, 再発乳癌などで各々64.0%(16/25), 66.7%(16/24), 54.5%(6/11)と高率に陽性例が認められ, 臨床上有用と考えられた. (5).良性疾患では陽性率は6.03%(7/116)と低く, とくに肝炎, 肝硬変, 胆石症などの良性肝胆道系疾患では4.3%(1/23)となり, 高い癌特異性を示した. (6) 術前術後の経時的測定(癌疾患)では術前NCC-ST-439抗原高値例は, いずれも術後カットオフ値以下に低下し, 治療効果の判定に有効であった. (7) 再発例の経時的測定では, 癌の進行にともない血清中NCC-ST-439抗原量は増加する傾向を示し, 病状の推移を良く反映していると考えられた.
|