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静脈移植用人工血管の開発

研究課題

研究課題/領域番号 61570668
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 胸部外科学
研究機関京都大学

研究代表者

田村 康一  京都大学, 結核胸部疾患研究所, 講師 (50144390)

研究分担者 清水 慶彦  京都大学, 医用高分子研究センター, 教授 (00027111)
研究期間 (年度) 1986 – 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1987年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワード静脈移植用人工血管 / ヘパリン化PVA-SiO_2 / ポリウレタンチューブ / ヘパリン化ポリウレタン / ヘパリン化PVA-Si【O_2】 / Polyurethaneチューブ
研究概要

1.61年度におこなった実験の結果から, 1)ヘパリン化PVA-SiO_2で処理した人工血管の移植成績は, 明らかに未処理の群より良好であり, ヘパリン化により高められた抗血栓性が, 静脈移植用人工血管として有利に作用していると考えられた. 2)2週目以上の中・長期移植については充分な評価ができなかったが, 閉塞の機序についての詳細な検討が必要であると考えられた.
2.62年度の新シリーズとして, 材料自体に高い抗血栓性をもつPolyurethaneをヘパリン化したものについても評価した. 1)内径8mmのPolyurethaneチューブとヘパリン化Polyurethaneチューブを成犬(10kg)の上大静脈に15分, 30分, 60分間留置した. 2)内径10mm, 長さ2cmの同様のチューブを, 成犬の上大静脈を1.5cm摘除し, 端々吻合により移植した. 縫合糸はePTFE糸7-0を用いた.
3.結果, 1)留置試験では, 未処理のPolyurethaneは, 軽微ではあるが15分後に赤血球を主体とする血栓の付着がみられ, 時間の経過と共に徐々に増加した, ヘパリン化Polyurethaneでは, 15分後には血栓は肉眼的にはみられず, 走査型電顕による観察でも, 散在的に血小板が付着するのみで, 時間が経過しても著しい変化はみられなかった. 2)移植実験の結果, 未処理のPolyurethaneは3例すべて1週間目までに閉塞した. ヘパリン化Polyurethaneは5匹に移植し, 4日目に死亡した1例, 1週間目の犠牲死3例すべて開存し, 1例が閉塞した.
4.考察および結語, 1)抗血栓性の面から, ヘパリン化PVA-SiO_2とPolyurethaneでは, 前者が優れているが, ヘパリン化Polyurethaneとの比較では優劣は速断できなかった. 2)ヘパリン化Polyurethaneでは, 吻合部, 特に心臓側に血栓がみられるため, これに対する対策が必要であり, 吻合方法に工夫が必要であると考えられた. 3)ヘパリン化材料は静脈移植用血管として有望であり, 特にPolyurethaneでは, 生体血管に近似した弾性を持たせることが可能であり, 今後も継続して実験をおこなってゆきたい.

報告書

(2件)
  • 1987 研究成果報告書概要
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 田村康一: 人工臓器. 16. 1500-1504 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田村康一: 人工臓器. 17. 614-617 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Koichi Tamura et. al: "Development of New Type of Polyurethane Tube Applied for Artificial Vessels." Jpn. J. Artif. Organs. 16(3). 1500-1504 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Koichi Tamura et. al: "Development of New Type of Polyurethane Tube Applied for Artificial Vessers -Effect of Pore Size-" Jpn. J. Artif. Organs. 17(2). 614-617 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Koichi Tamura: BIOMATERIALS,MEDICAL DEVICES AND ARTIFICIAL ORGANS. 13. 133-152 (1985,1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 田村康一: 人工臓器. 16. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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