研究課題/領域番号 |
61570675
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
釘宮 敏定 長崎大, 医学部, 教授 (30039820)
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研究分担者 |
上野 昭 長崎大学, 医学部, 教授 (70039486)
高木 正剛 長崎大学, 医学部, 講師 (30136642)
黒岩 正行 長崎大学, 医学部, 講師 (80136663)
柴田 隆一郎 長崎大学, 医学部附属病院, 医員
山内 秀人 長崎大学, 医学部附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 低心拍出量状態 / 開心術後LOS / ノルエピネフリン / カテコールアミン / 血管拡張薬 |
研究概要 |
この研究では、雑種成犬を用いて心臓全体に及ぶ虚血性心筋障害(globalcardiac ischemia,GCI)に伴う低心拍出量状態(LOS)の実験モデルを独自の方法で作成し、このモデル犬に対しノルエピネフリン(NE)と各種血管拡張薬を、それぞれ単独に、あるいは両者同時に併用投与して、これらの薬剤の主として血行動態に及ぼす効果について検討した。 1.LOSモデルの作成法:これまでに文献上も確立されたLOSモデル作成法の報告はなく、我々も2,3の方法を試行した後、最終的には下記の方法でLOSを作成した。すなわち、静脈麻酔、気管内挿管、室内空気による調節呼吸下に左第5肋間で開胸し、矩形波電気刺激(30volt,50Hz,5msec)により心室細動(VF)を誘発、1分後に直流除細動を行なって心拍再開させるという操作を5〜7回反復して、VFに続発するGCIを発生させた。LOSモデルの条件としては、反復VF終了後30分のpeak dp/dt値がVF前の対照値の70〜80%、心拍出量および左室仕事量が対照値の70%以下になったものとした。 2.薬剤投与の効果:上記の方法で作成したLOSモデル犬にNEの単独投与を行うと、動脈圧、peak dp/dt、心拍数、全末梢血管抵抗は著しく増加したが、心拍出量、一回心拍出量は改善せず、むしろ低下傾向を示したのに対し、NEにphenoxybenzamine(POB),trinitroglycerine(TNG)などの血管拡張薬を併用すると、血管抵抗の増大が効果的に抑制され、peak dp/dt、心拍出量の良好な回復を得ることができた。POBとTNGとの比較では、POBの方が左室仕事量の増大が少なく、心筋酸素消費量が少なくてすむことが示唆された。 3.今後の研究の展開の計画:NEと併用する血管拡張薬として、目下phen-tolamine,カルシウム拮抗剤についても同様の検討を行いつつあり、臨床例のLOSに対する薬物療法において、何がNEと併用する血管拡張薬として最適かという明確な指標を得るようにしたい
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