研究課題/領域番号 |
61570683
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
磯村 正 (1987-1988) 久留米大学, 医学 部, 講師 (30140643)
赤川 治夫 (1986) 久留米大, 医学部, 講師 (20131740)
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研究分担者 |
山下 正康 久留米大学, 医 学部, 助手 (00192401)
久富 光一 久留米大学, 医学部, 助手 (10183576)
島 弘志 久留米大学, 医学部, 助手
磯村 正 久留米大学, 医学部, 助手 (30140643)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 輸血後肝炎 / GVHD (Graft Versus Host Disea se) / 自家血輸血 / セルセーバー / 胸腔内ドレーン血返血 / GVHD / 胸腔内ドレーン / 血返血 / GVHD(Graft Versus Host Disease) / 胸腔内ドレーン血再利用 / 冷凍自家血輸血 / 術中自家血輸血 / 術後自家血輸血 / 血液節減 / 人工心肺残留血濃縮再利用 / Sorenson System / 縦隔ドレーン血返血法 |
研究概要 |
心臓外科手術の際他家血輸血に伴う肝炎をはじめとする種々の輸血後合 併症を予防するために自己血利用を総合的に研究した。 1.術前自家血冷凍保存:術前自家血採血を行い、手術に際し使用した。この適 応症例は30Kg以上の小児、成人で重症度はNYHAIII度までとした。冷凍自家保 存量は400〜1200cc (平均874.8CC) で無輸血手術可能であった例で は800cc以上の採血を行っていた。 2.術中自家血輸血: (1) 人工心肺残留血濃縮再利用、この方法ではヘパリン 除去は出来ないものの血球全成分、タンパク、凝固因子を含めて濃縮し、返血再利用 できるAuto transfusionとして有用な方法で初期の症例に主として 利用してきた。 (2) セルセーバ濃縮血再利用、セルセーバを用い術中、術野全出血 (人工心肺血を含む) を再利用でき再利用率としては (1) より多い。ヘパリンも完 全に除去できるかわりにタンパク、凝固因子も除去され、主に血球成分のみの利用と なり、主として後期の症例に利用してきた (平均837.3cc再利用) 。 (1) 、 (2) それぞれの方法の長所、短所を考えると人工心肺終了前後にセルセーバ濃縮血 を利用する方法が有効であると考えている。 3.術後ドレーン貯留血再利用:胸腔内でのdefibrinogenesis があるが血球成分は十分に残っており空気塞栓を予防する装置を内蔵させたポンプを 開発し、閉鎖回路として利用してきた。46例に使用し平均324ccの術後出血の 再利用が可能であった。細菌感染、重症溶血の合併症はみられなかった。以上の方法 により全体での他家血輸血は2448ccから1458ccへと減少し、術後肝炎発 症率は従来の44.7%から9.4%へと激減し、きわめて有効であった。しかし、 この期間中に2例のGVHDによる死亡例を経験し、1例は術後家族血 (新鮮血) 、 1例は保存血を使用した。この予防には他家血輸血のみならず保存血にもradat ionの照射が重要で、さらに発症原因予防について今後の検討が必要であると考え ている。
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