研究課題/領域番号 |
61570696
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉田 純 名大, 医学部, 助手 (40158449)
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研究分担者 |
若林 俊彦 名古屋大学, 医学部, 医員
村田 善晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (80174308)
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (40135380)
景山 直樹 名古屋大学, 医学部, 教授 (90022813)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1986年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | モノクローナル抗体 / glioma;melanoma / lung cancer / 髄液診断 / 抗原分析 |
研究概要 |
ヒト悪性脳腫瘍に対して作成されたモノクローナル抗体の1つ、G-22MCAは64種類の各種悪性腫瘍の培養細胞株を用いてその抗原分布を検討した結果、glioma には20種類中18種(90%)に陽性を示し、他に melanoma lung cancer に陽性を示す以外はすべて陰性でありneuroectodermal antigen を認識する比較的特異性の高い抗体と考えられる。この細胞表面に存在する抗原は1%NP-40で可溶化してもその抗原活性を失う事なくニトロセルロース膜上で酵素抗体反応陽性を示した。さらに手術時摘出組識の可溶化成分の検討でもglioma組識では4例中3例に陽性の他9週令の胎児脳でも陽性を示したが8ヶ月の胎児脳及び2例の成人脳では陰性を示した。次に【^3H】-leucineでpulse labelしたSK-MG-4(glioma cell line:G-22MCA関連抗原陽性)及びKMS-【II】(ependymoma cell line:G-22MCA関連抗原陰性)のNP-40可溶分画をG-22MCAで沈澱後SDS-DAGEで分析すると、SK-MG-4のautoradiographyにて1時間のpulse lebelにより67Kの領域に、KMS-【II】では認めない反応が抽出された。一方、G-22MCA immunoadsorbent gll column を用いSK-MG-4のNP-40抽出液より抗原をaffichromatographyにて精製を試みた。収集された蛋白量は極めて微量であったが、高い抗原活性を有しこの試料をSDS-PAGAにて分離後銀染色を施行するとやはり67Kにsingle bandを認めpulse labelの結果と一致した。そこでニトロセルロース膜を用いたdot blot ELISA法にてヒト髄液中抗原の検索を行った。各疾患の髄液100mlを試料として抗原活性を比較したところ悪性神経膠腫(7例)は他の脳腫瘍(15例)や腫瘍以外の脳疾患(4例)に比べその測定反応が有意に高値を示しG-22MCAの認識する抗原が悪性神経膠腫の患者髄液中に特異的に存在する可能性が示唆された。この悪性神経膠腫患者の1例の髄液をaffinity chromatography で精製液SDS-PAGEで分離すると67K及び65Kに反応が認められ、髄液中の抗原精製も可能と考えられた。現在詳細な抗原の性状をさらに検討中である。
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