研究課題/領域番号 |
61570701
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山口 三千夫 神戸大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40030861)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 実験的脳浮腫 / 水中毒 / 能動的回避学習 / ラット / リソゾーム / 蛋白分解酵素阻害剤 / ステロイド / AVS / 硝酸銀注入法 / 血液脳関門 / 過酸化脂質 / 回避学習 / リソゾーム酵素活性 / プロテアーゼ阻害剤 / 学習能力 / 電撃ショック |
研究概要 |
ラットを用いて実験的脳浮腫を作製し、その際の行動学的な研究を行った。脳浮腫は水中毒法を用いて作製した。予備実験によって、ラットの体重の10%以上の純水を腹腔内に注射すると、経時的に脳水分量が増加し、2ないし3時間後に最高値を示した。このとき、脳組織中のナトリウムおよびカリウムの含量は減少した。(水負荷によるナトリウムに含量の減少は有意であるが、カリウムは体重の20%水負荷のときのみ有意な減少をみた)。なお抗利尿ホルモンとしてのピトレッシン(バゾプレッシン)の投与はしなくても水中毒による脳浮腫は作製し得た。 2の水中毒ラットに対し、明暗箱を用いて、電撃に対する能動的回避学習を行わしめたところ、体重の10%の水を負荷した群では学習の障害が認められた。また20%の水を負荷した場合は電撃からの回避はできず、また逃避すらも不可能であった。以上から脳浮腫によって行動学上の障害がみられることが明らかとなった。 別に硝酸銀注入法による脳浮腫モデルを用いて、まず脳浮腫時の脳水分量増加とナトリウム増加を確認した。また脳組織中の過酸化脂質の増加も若干の工夫を加えて行った。これにより脳浮腫によって過酸化脂質が増加することが確認された。また組織内のリソゾーム酵素活性、特にβーGlucuronidase活性が増加することも認めた。次にステロイド(ベタメサゾン)、過酸化防止剤AVS、蛋白分解酵素阻害剤アプロチニンないしウリナスタチン等を投与したところ、脳浮腫は抑制され、脳水分量、ナトリウム含量、リソゾーム酵素活性等の異常も抑制されることがわかった。 次にこの脳浮腫モデルにおける行動学的研究を試みたがまだ十分なデータを得るに至らなかったので、今後の課題としたい。
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